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教養としての森林学 【電子書籍版】

表紙見本写真

監 修日本森林学会
井出雄二 / 大河内 勇 / 井上 真

定価 1,870円 (本体 1,700円+税)

(2015年6月 発行)

【底本情報】

・(底本)ISBN:978-4-8300-4127-3

・(底本)頁:272

・(底本)判型:A5判

【電子書籍版】(PDF版):『VarsityWave eBooks』専門書学習書コーナーにて販売中です。

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 今、日本では、近代化と大規模化による林業のイノベーション、地域の活性化が始まっている。国際的には、地球温暖化緩和や生物多様性保全にとって必要な森林、特に熱帯降雨林をどう保全するかが議論されている。こうした中、人と森林の次の100年を考えるために、グローバルな視点で森林の全体像を俯瞰することが求められている。
 日本森林学会は創立100周年を記念し、次代を担う若手研究者中心に総力を挙げて本書を作成した。森林の歴史、森林生態系の仕組み、森林の生態系サービス、人と森林の深い関係を取り上げて、こうした課題に寄与できるように意図している。「教養として」読んでいただき、読者一人一人が人と森林の未来を考えていただければ幸いである。
(本書「はじめに」より抜粋)

目 次

第1部

生態系としての森林

 1講

森林とは何か─統計における森林─

 2講

分布─森はどこにあるのか─

 3講

構造―森はどのように成り立っているのか―

コラム1

自然かく乱と人為かく乱

 4講

生物多様性―さまざまな生物と森林のパートナーシップ―

コラム2

植食性動物と樹木および森林の関係

 5講

地史的・歴史的変遷―森林はどのように変化してきたのか―

 6講

バイオームと森林―森にはどのような種類があるか―

コラム3

森林樹木の遺伝的変異と地史的分布変遷

第2部

森林の機能

 7講

森林の多面的な機能―生態系サービスとは何か―

コラム4

生態系サービスと森林管理

 8講

供給サービス―どんな資源が得られるのか―

 9講

調整サービス―どのように環境が制御されるのか―

 10講

文化的サービス―なぜ気持ちが休まるのか―

 11講

基盤サービス―どのように保たれるのか―

コラム5

森林生態系の基盤サービス、調整サービスの原発事故による再認識

第3部

世界の森林と人間活動

 12講

熱帯林―グローバルな気候変動・森林保全政策とローカルな資源利用―

コラム6

ボルネオ先住民の行動原理

 13講

照葉樹林―文化を育む豊かな森―

 14講

硬葉樹林─地球と人間の歴史の証─

 15講

サバンナおよび砂漠─脆弱で広大な生態系─

コラム7

乾燥地の砂漠化と緑化

 16講

落葉広葉樹林─四季を彩る林

コラム8

コナラ属─温帯林で最も栄えた樹木たち─

 17講

北方林─凍土と火災が織りなす森─

コラム9

周極域についての誤解

第4部

日本の森林と森林学

 18講

潜在的な森林帯―日本にはもともとどんな森林があったのか―

 19講

現実の森林―人間活動によりどのように変化してきたのか―

コラム10

森林工学の視点

 20講

森林の管理と政策―森をどのように扱えばよいのか―

コラム11

森林を美しく維持するには、手を加えるべきか、加えるべきではないか?

 21講

挑戦―森林研究の多様なベクトル―

コラム12

分子生態学の観点から

コラム13

森林学者の生き方