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自然保護の形-鳥獣行政をアートする- 【電子書籍版】
著 者 | : | 羽澄俊裕 |
定価 1,760円 (本体 1,600円+税)
(2017年10月 発行)
【底本情報】
・(底本)ISBN:978-4-8300-0902-0
・(底本)頁:260
・(底本)判型:A5判
【電子書籍版】(PDF版):『VarsityWave eBooks』専門書学習書コーナーにて販売中です。
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自然保護の歴史、その変遷をわかりやすく解説し、さらに現状を分析し問題点を明確にし未来への提言を述べています。自然保護に携わる方や興味のある方にはとても役立つ1冊です。
略目次
まえがき
第一部
昭和時代の自然保護
1章
近代化と自然 (江戸時代の森林の扱い/育成林業のはじまり/明治近代化と日本の自然/鎮守の杜と熊楠と/戦争と森林破壊/明治維新とクジラ/世界が欲した毛皮/市場と狩猟/狩猟法制の思想の転換/自然保護のあけぼの)
2章
経済成長と自然保護 (高度経済成長時代の出来事/時代の転換/戦後の森林の扱い/林業の衰退/木材輸入大国という汚名/公害の時代/環境庁の誕生/自然保護の法制度とつきあう)
3章
海の向こうの自然保護 (博物学の登場/ナチュラリストとウィルダネスの遭遇/生態学の登場/ピンショーのコンサベーション/レオポルドのコンサベーション/カーソンの警告/ウィルソンのコンサベーション/ニューエコロジー/地球を心配する)
4章
昭和時代のフィールドワーク (野生動物に出会う/痕跡調査からはじまる/クマに出会った/クマハギのこと/黎明期のテレメトリ調査/環境庁のシカクマプロジェクト/フィールドワーカーになった/問題に遭遇する)
5章
ワイルドライフ・マネジメントに出会う (追われる「けもの」たち/初めての全国分布図/国際クマ会議に参加した/レオポルド・メモリアル/日本版ワイルドライフ・マネジメントのはじまり/カモシカ裁判/自然を保護する会社/野生動物を管理するとは何事だ)
第二部
平成時代と自然の氾濫
6章
平成という時代 (科学技術の革命的進化/人の感性を壊す技術/グローバリズム/地球規模の環境問題の認知/人口が減少する日本/食糧が不足する時代/災害リスクと向き合う時代/平成時代の先へ)
7章
自然の氾濫 (里山と低林/変わる里山/荒れる人工林/森がシカに食べられる/シカが増えた理由/里に居座るイノシシ/クマとの遭遇/外来生物の乱)
8章
被害がなくならない理由 (危機であることの認識/現場の理屈/猟師の理屈/危機が共有されない/地域の活性化/地域再生の意欲/殺生したくない心/殺生の正義)
9章
国際条約と国内法の進展 (グローバリズムと多様性保全/環境に関する法律の整備/生物多様性条約の本質/国際会議と現場をつなげる/特定鳥獣保護管理計画制度の誕生/鳥獣被害防止特措法の登場/国際的な意思決定と現場の実行力)
第三部
ワイルドライフ・マネジメントを「鳥獣行政」と訳す
10章
ワイルドライフ・マネジメントは「鳥獣行政」である (「マネジメント」という用語の意味/マネジメントの責任主体/日本のワイルドライフ・マネジメント/保護でも管理でもない/自然保護と自然環境保全/自然と生態系と生物多様性)
11章
生態系で考える (生態系で考えるということ/自然資本という概念/環境基本法の理念/国土形成計画を読む/国民生活のレジリエンス/小さな拠点の外を意識する/自治体首長の地域再生ビジョン)
12章
棲み分ける (必要な機能/生態系のマネジャー/棲み分けのコーディネーター/棲み分ける技術/捕獲のモチベーション/ソーシャル・ビジネス/里の捕獲と奥山の捕獲/捕獲の手段/職業猟師の育成/民間に頼るということ)
13章
モニタリング (天気予報があたる理由/自然に関する情報の蓄積/個体数を知ることの意味/動植物のモニタリング/調査法の現在/モニタリングができなくなる)
14章
自然を診ていく人 (知りたいこと/情報生産を支える/基礎研究の活性化/職を増やす/自然史博物館の活用/生物多様性センターの機能強化/自然環境保全基礎調査を実施する意味)
15章
現代の鳥獣行政に必要なこと (科学的専門性と行政能力/ワイルドライフ・マネジメントの理想/分野横断広域連携をどう動かすか/人口減少時代の日本の姿/森林に関すること/平地に関すること/捕獲の専門性をどう担保するか/ひとつのモデル)
終章
21世紀の自然保護 (自然保護という思想/殺生の快楽/理想主義的現実主義/地域指定の見直し/新しい経営猟区/人口減少時代の自然の監視/エコ・デモクラシー)
文 献
あとがき