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第13回インターペット(2024年4月4日~4月7日、東京ビッグサイト)で、第9回インターペットアワード授賞式が行われた。
これはペットとの素敵なライフスタイルを実現している著名人に贈るもので、今回はタレントの井上咲楽さんと赤坂動物病院名誉院長の柴内裕子先生の2人に贈られた。
授賞式後、柴内裕子先生の特別講演「伴侶動物は人類の宝もの」が行われた。
先進国で唯一、犬の飼育が減少している日本。ペットの役目は30以上にも及ぶのだが、住宅、乗り物、旅行・宿泊、ショッピングアーケード、レストラン、公園等、ペット不可が多すぎる。その大きな理由は散歩での排泄であろう。散歩は排泄を済ませてからにし、必ずペットシーツを携帯すべきである。テストに合格した動物と飼い主のペアがパスポートを持っていれば、施設等を利用できる「ファミリーペットパスポート(仮称)」制度を制定することを提唱したい。
高齢者とペットの関係については、「動物(ペット)民生委員制度(仮称)」の確立を訴えた。動物を飼育する高齢者のケアに苦慮している現場が見られるが、その制度により、高齢者の安全で清潔な生活を公費で支援できればよい。飼い主が飼うのが難しい状況になったり死亡した場合のペットの処遇を制度化すべきである。
その他に37年間に及んでいるCAPP活動を紹介した。2万8千回に及ぶ高齢者、医療、児童等の様々な施設訪問において、アレルギーが起きたことや事故はゼロであるとのこと。また千葉県こども病院小児血液腫瘍病棟へのセラピー犬をつれての訪問では、子供、セラピー犬、ボランティア(飼い主)とも、オキシトシン値の上昇、コルチゾール値の減少など、よい効用があったことを紹介し、また、最近発表された谷口 優先生のペットを飼うことの良さの研究の紹介もあった(参照:JVM NEWS 2023-02-09「ペット飼育で社会保障費抑制 論文が発表される」、2023-11-01「ペット飼育で認知症の発症リスク低下 論文が発表される」)。
最後に、ワンヘルスメディスンが世界では進んでおり、動物の健康を守ることが、人の新たな感染症と戦う準備にもなるということを述べて、講演をしめくくった。
20分という短い講演時間に柴内先生の想いがぎゅっとつまった講演であった。