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2022年12月23日に行われた一般社団法人ペットフード協会の「プレス発表会」では、東京都健康長寿医療センター研究所協力研究員/国立環境研究所主任研究員の谷口 優先生による講演「ペット飼育がもたらす高齢者への影響に関する最新研究」も行われた。
谷口 優先生は2020年に発行された『ペットがもたらす健康効果』(社会保険出版社)を編集した「人と動物の関係学研究チーム」の一員。同書は関連する論文を翻訳し、その概要を分かりやすく解説している。
谷口先生は従来の研究の主体が国外であること、調査対象が子供が多いこと、調査対象の数が小規模であり、その方法も横断的なものが多いことから、日本の高齢者を対象とした縦断研究を実施している。
講演では、虚弱(フレイル)への影響、要介護や死亡への影響、社会保障費への影響の研究成果を紹介した。
犬を飼育している高齢者はフレイルや自立喪失になりにくい結果であった。また、犬の飼育(または家族が飼育)により介護給付費が低いという結果もでており、役割や責任感があることで、介護サービスの軽減(重度なサービスに至らない)に寄与しているかもしれないと述べた。
谷口先生の研究論文の1つ
Yu Taniguchi, Satoshi Seino, Bruce Headey, Toshiki Hata, Tomoko Ikeuchi, Takumi Abe, Shoji Shinkai, Akihiko Kitamura
PLOS ONE,February 23,2022