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猪熊 壽・遠藤秀紀 著
本書『イヌの動物学 第2版』は、約20年ぶりに改訂された「アニマルサイエンス」シリーズ全5巻の最後として刊行され、第1版の著者である猪熊 壽先生に加えて、遠藤秀紀先生が補章を書き加えている。
本シリーズ全体に言えるのであるが、対象動物のことを広く明解に書いてあり、獣医学を学ぶ学生には必読の書となっている。このシリーズを手がかかりにして、興味のある分野の学問を深めていくのもよいであろう。
著者の猪熊先生は産業動物臨床学を牽引する大学人であり、「なぜこの書籍の著者が猪熊先生なの?」と思われる方もいるだろうが、感染症の分野など小動物分野の研究業績も多く、第1版の著者として選ばれたことは、本書を手に取り読み進めれば誰もが納得されるであろう。
第1版を踏襲する第1章から第5章については、大きな変更点はないようである。それは、その必要がないからであろう。飼い主としての犬へのやさしい目線も盛り込んで、犬学を追求されている。
そして犬の起源、進展目覚ましい認知科学的研究については、補章として遠藤先生が執筆されている。特に起源については、最新の研究動向が、その研究価値も含めて簡潔(約8頁)に解説してある。
- 目次
- 第1章 野生から人類の友人へ-進化と家畜化
- イヌのなかま
- イヌの進化
- 家畜化と再野生化
- つくられた品種
- 現在のイヌの役割
- 第2章 狩人としてのイヌ
- 狩猟戦術
- 超感覚
- 追いかける
- 雑食動物としてのイヌ
- イヌの栄養学
- 第3章 群れの生活とイヌの行動
- 群れとリーダー
- 支配と服従
- 繁殖生理と性行動
- 個体の行動の発達
- つくられた行動
- 第4章 ヒト社会のなかに生きる動物
- なぜヒトはイヌを飼うのか
- ヒトを癒す
- 問題行動
- ヒトとイヌに共通する感染症
- 第5章 これからのイヌ学-ヒトとのよりよい関係を求めて
- つくられたイヌの宿命
- 高齢化するイヌたち
- これからのイヌとヒトの関係
- 補 章 イヌ知のいま
- イヌはどこから来たのか
- “賢さ”の本質
- 発売:2019年11月5日
- 定価:本体価格3,800円+税
- 発行:一般財団法人東京大学出版会
- Tel 03-6407-1069
- http://www.utp.or.jp/book/b479969.html
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