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■改正食品衛生法 施行に向けて

2020-01-24 11:00 | 前の記事 | 次の記事

東良俊孝先生

森田幸雄先生

令和元年度食肉及び食鳥肉衛生技術研修並びに研究発表会」の研修会で、「厚生労働省からの情報提供」として、同省の東良俊孝先生がHACCPに沿った衛生管理の制度化について解説した。

「食品衛生法等の一部を改正する法律」が2018年6月13日に公布され、(1)広域的な食中毒事案への対策強化、(2)HACCPに沿った衛生管理の制度化、(3)特別の注意を必要する成分等を含む食品による健康被害情報の収集、(4)国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備、(5)営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設、食品リコール情報の報告制度の創設が進められている((1)は施行済み)。

HACCPに沿った衛生管理の制度化は2020年6月1日に施行される(2021年までは現行基準が適用され、もう少しの猶予期間がある)。と畜場や食鳥処理場は、HACCPに沿った衛生管理が必須のものとなる。一般衛生管理は従来は「と畜場の衛生管理として定める基準」基づいて実施されてきたが、それに加えて、と殺、解体工場も含めた基準(施行規則に定められる)に基づくことになる。

また都道府県によるHACCP外部検証が行われることになるが、制度が施行される2020年6月までのスケジュールは以下の通り予定されている。

  • 1月:外部検証方法(プロトコール以外)の公表。外部検証方法の自治体への説明。
  • 2月:プロトコール最終案策定。
  • 3月:プロトコール最終案調整。関係者への説明。
  • 4月:プロトコールを文書により公表・施行。

さらに厚生労働省はHACCP導入のための手引書を今年度中に作成する予定。衛生管理にHACCPを導入することは、国際基準に準ずることになり必須である。東良先生は「HACCPを導入しているところでも、基本的なことができていない例もあった」と述べ、都道府県に対して、HACCP実施報告と現場の実態が合致しているかの監視指導を改めて要請した。

「厚生労働科学研究におけると畜場HACCP検証手法の検討状況について」のテーマで講演した森田幸雄先生(東京家政大学)は、「世界的な常識としてゼロトレランスが重要」と述べた。ゼロトレランスとは、糞便や消化管内容物、乳房内容物がと体に付着していないことを目視で確認していく生産体制で、CCP(重要管理点)またはPrP(一般的衛生管理プログラム)で管理する。