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著者である岡本先生とは面識はないが、とても情熱あふれる方ではないかと感じている。研究者というものは、その研究対象が好きなのだなと常々感じているが、この本の文章にはニワトリへの思いとロマンを強く感じる。
今回改訂された他の「アニマルサイエンス」シリーズと同様、本書もニワトリの辞典といえるほどの幅広い内容を含み、かつ読み物となっている。ただしシリーズ他書とは異なり、本書は鳥類を対象としている。特に第2章「飛翔のあかしと子孫のための戦略」(なんて素敵な章タイトルなのだろう)における解剖と生理の両面からの機能の解説は、進化の検証も相まってとても面白い。
また、ニワトリを語る上で欠かすことができない、遺伝・改良については、歴史的なことから、行く末まで詳細に記されている。
目次
- 第1章 誇り高き小さな勇者-ヒトとニワトリのかかわり
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- 1.1 鳥類としての素顔
- 1.2 祖先との絆
- 1.3 ヒトとのつながり
- 1.4 学名のなかの繁栄
- 第2章 飛翔のあかしと子孫のための戦略-ニワトリの形態と繁殖
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- 2.1 鳥らしさの追求
- 2.2 軽さの追求
- 2.3 雄の役割・雌の役割
- 2.4 卵に秘められた業
- 第3章 時の流れを溯る-ニワトリの成立
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- 3.1 受け継がれる記憶
- 3.2 形態の記憶
- 3.3 闇からの記憶
- 3.4 記憶をつなぐ
- 第4章 仕組まれたプログラム-家畜としてのニワトリ
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- 4.1 より多くより大きく
- 4.2 求める立場と失う立場
- 第5章 これからのニワトリ学
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- 5.1 家畜としての未来
- 5.2 ニワトリ研究の未来
- 発売:2019年10月10日
- 定価:本体価格3,800円+税
- 発行:一般財団法人東京大学出版会
- Tel 03-6407-1069
- http://www.utp.or.jp/book/b302990.html