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■新刊紹介『ニワトリの動物学 第2版』 東京大学出版会

2019-12-04 18:27 | 前の記事 | 次の記事

『ニワトリの動物学』(写真は帯付き)

著者である岡本先生とは面識はないが、とても情熱あふれる方ではないかと感じている。研究者というものは、その研究対象が好きなのだなと常々感じているが、この本の文章にはニワトリへの思いとロマンを強く感じる。

今回改訂された他の「アニマルサイエンス」シリーズと同様、本書もニワトリの辞典といえるほどの幅広い内容を含み、かつ読み物となっている。ただしシリーズ他書とは異なり、本書は鳥類を対象としている。特に第2章「飛翔のあかしと子孫のための戦略」(なんて素敵な章タイトルなのだろう)における解剖と生理の両面からの機能の解説は、進化の検証も相まってとても面白い。

また、ニワトリを語る上で欠かすことができない、遺伝・改良については、歴史的なことから、行く末まで詳細に記されている。

目次

  • 第1章 誇り高き小さな勇者-ヒトとニワトリのかかわり
    • 1.1 鳥類としての素顔
    • 1.2 祖先との絆
    • 1.3 ヒトとのつながり
    • 1.4 学名のなかの繁栄
  • 第2章 飛翔のあかしと子孫のための戦略-ニワトリの形態と繁殖
    • 2.1 鳥らしさの追求
    • 2.2 軽さの追求
    • 2.3 雄の役割・雌の役割
    • 2.4 卵に秘められた業
  • 第3章 時の流れを溯る-ニワトリの成立
    • 3.1 受け継がれる記憶
    • 3.2 形態の記憶
    • 3.3 闇からの記憶
    • 3.4 記憶をつなぐ
  • 第4章 仕組まれたプログラム-家畜としてのニワトリ
    • 4.1 より多くより大きく
    • 4.2 求める立場と失う立場
  • 第5章 これからのニワトリ学
    • 5.1 家畜としての未来
    • 5.2 ニワトリ研究の未来