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厚生労働省健康・生活衛生局 感染症対策部感染症対策課は、2026年10月21日、11月の「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」を前にして記者勉強会を実施した。
「AMR対策」の基本には、薬剤耐性菌をつくらない(抗菌薬適正使用の推進)と薬剤耐性菌を広げない(感染症対策)の2つの柱がある。ただし、このため抗菌薬が利益を生まない構造となっており、新しい抗菌薬が開発されにくい状況となっている。
国の「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(NAP)」は現在第2期(2023-2027)が実施されている。世界保健機関(WHO)の総会で採択された「AMRに関するグローバル・アクション・プラン(GAP)」の第1期に即して、日本ではNAP1(2016~2020)、NAP2が策定された。2026年のWHO総会でGAP2が採択されており、NAP3を2028年から開始できるように、検討がなされていく。
厚生労働省では、NAP1とNAP2における現状と課題、NAP3に向けての検討事項をまとめている(図参照)。
厚生労働省のAMR対策を推進する役割は、AMR臨床リファレンスセンターが担っている。
同センターは、2017年に国立国際医療研究センター(現 国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究センター)内に設置され、情報・教育支援室、薬剤疫学室、臨床疫学室などで構成される。薬剤疫学室は、動向調査・監視の役目を担っており、抗菌薬使用量のサーベイランスを実施している。
WHOは、抗菌薬使用の「質」を把握し、適正使用を進めるためのAWaRe分類を作成している。
- Access:一般的な感染症で第一・第二選択となる薬
- Watch:耐性化の懸念が比較的大きい薬
- Reserve:多剤耐性菌などの治療に温存する薬
そして、全抗微生物薬使用量(AMU)に占めるAccessカテゴリーの割合を、国レベルで60(70)%以上にすることを推奨している(参照 論文「Rethinking the WHO AWaRe classification: the need for more detailed guidance」)。日本のAccessの割合は年々微増しており、2025年は25.45%であった。
総使用量の減少は抗菌薬の適正使用を必ずしも意味せず、様々な指標を用いて総合的に評価する必要がある。
また実際の医療現場における医療関連感染のうち、手指衛生などの対策で70%が予防できるとされており、その重要性が強調された。
手指衛生は、以下の場面で必要である。
-
- 患者に触れる前
- 清潔・無菌操作の前
- 体液に触れた可能性がある後
- 患者に触れた後
- 患者の周囲環境に触れた後
アルコールを使用することが基本であり、手指全体に乾くまで擦り込む、目に見える汚れがあるときは石けんと流水での手洗いが必要である。手指衛生の遵守率は中央値で約60%という調査結果があり、課題となっている。
