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日本獣医オンライン診療研究会(JVTS)は、2026年4月9日、「オンライン診療に関する意識調査」の結果を発表した。調査は、獣医療におけるオンライン診療の「適正な普及」と「質の担保」を目的に、2025年12月9日から12月14日にかけて、全国の動物病院を対象に実施したもの。
同調査では、オンライン診療の導入状況や現場のリアルな課題感、診療の質へ与える影響などが明らかになった。調査の結果、すでに導入している施設からの前向きな評価と、未導入施設が抱える不安との間に大きなギャップが存在することが判明した。
§調査概要
- 調査期間:2025年12月9日~12月14日
- 調査対象:全国の動物病院の獣医師
- 調査方法:株式会社TYLに委託
- 有効回答数:107名
◆オンライン診療の実施率は18%。関心層を含めると半数以上に
全国107動物病院へのアンケートの結果、オンライン診療(オンライン相談含む)をすでに「実施している」と回答した獣医師は18%であった。また、「検討中 11%」「興味はある 27%」であった。 ◆導入経験の有無で「診療の質」への評価が逆転 調査において最も特徴的だったのは、オンライン診療が診療の質に与える影響についての見解であった。 導入済みの獣医師では、「大きく向上する21%」「やや向上する32%」「変わらない37%」と回答しており、合計90%が肯定的に評価している。 一方、未導入の獣医師では「やや低下する30%」「大きく低下する24%」と、半数以上が否定的な意見を持っており、経験の有無が評価の差につながっている可能性がある。 ◆導入の主な理由は「効率化」。最大の懸念は「診断精度(誤診リスク)」 導入の理由としては、「再診・経過観察の効率化」が16%と最も多い。一方で、導入の障壁や不安点については以下のような結果となった。 「診断の精度(身体検査ができない)」が、導入済み31%、未導入29%ともに共通して高い課題として認識されている。 最も不安に感じる点についても「誤診リスク」が最多(導入済み32%、未導入48%)となっている。 ◆初診での制限については「運用の拡大」を求める声も 現在の初診でのオンライン診療の制限について、導入済みの獣医師の32%が「議論と検証を行うことで、より幅広い運用ができるようにするべきだと感じる」と回答した。一定の理解を示しつつも、運用拡大を求める声が見られる。一方、未導入の病院では「わからない」との回答が41%を占め、運用経験の不足が制度評価の難しさにつながっていると考えられた。 調査結果の「一部抜粋」は公開されているが、全容(詳細レポート)は、会員限定ページで公開となっている。 日本獣医オンライン診療研究会は、動物医療分野における、オンライン診療およびICT活用全般における情報の共有を行い、会員同士の活発な議論を行うことを目的としている。 オンライン診療を適正かつ安全に活用、推進できるように、臨床現場での知見の収集、解析を行い、その時々の法律の解釈などの検討をすることで、獣医師、飼い主、動物が安心してオンライン診療を受診できる環境作りを目指している。

