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日本獣医内科学アカデミー第21回学術大会で研究アワード(文永堂出版アワード)を受賞した伊藤 智先生にコメントをいただいた。
受賞研究テーマ:
「イヌリンパ系腫瘍細胞に対するオルメトプリムの増殖抑制効果の検討」
伊藤 智(東京大学獣医内科学研究室、日本全薬工業株式会社)
このたびは、日本獣医内科学アカデミー第21回学術大会研究アワードにご選出いただき、誠に光栄に存じます。また、大会運営に尽力された実行委員の皆様、審査員の先生方、ならびに文永堂出版の皆様に、心より感謝申し上げます。
私が研究するイヌリンパ腫は、再発と寛解を繰り返し、最終的には治療抵抗性を示す難治性疾患です。既存の治療法が奏効しなくなった際に新たな選択肢を提供できるよう、治療法の開発に取り組んでおります。今回の研究では、オルメトプリムがPPP5C/SMURF2経路を介して腫瘍幹細胞性を抑制し、イヌリンパ腫に対して抗腫瘍効果を示すことを明らかにしました。
今後は作用機序のさらなる解明と、実臨床への応用に向けたデータの蓄積を進めてまいります。獣医師の皆様にとって有用な治療法となるよう、引き続き研究を発展させる所存です。
また、動物用医薬品企業に所属しながら、社会人博士として大学にも在籍しており、基礎・応用研究の両視点から研究を進めております。今後はさらに産学連携を推進し、動物医療全体の発展に貢献できるよう努めてまいります。
本研究を通じて、より多くの動物が健康に過ごせる未来を実現し、獣医療の発展に寄与できるよう精進してまいります。改めまして、関係者の皆様に深く御礼申し上げます。
- 参考ニュース記事:
- JVM NEWS 2025-02-18 JCVIM2025 伊藤 智先生と長尾乙磨先生が「研究アワード」受賞