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一般社団法人ペットフード協会は、2024年12月20日、都内で「2024年全国犬猫飼育実態調査」プレス発表会を開催した。
毎年集計し、公表されている犬猫飼育実態調査の最新情報についての解説が行われた。資料は同協会のWebサイトで公開されている。2024年のトピックスとして、「世帯構成別の飼育支援商品・サービス」「ペットの飼育効用」「防災対策・意識」「飼育阻害要因」が調査された。
調査結果の概要は以下の通り。
・犬の飼育頭数下げ幅は縮小、猫の飼育頭数は横ばい
犬は、飼育率が昨年から減少するも飼育頭数は下げ止まり。新規飼育頭数、新規飼育意向率は横ばいの傾向が続く。
- 飼育頭数 679.6万頭(前年684.4万頭、前々年705.3万頭)
- 飼育率 8.75%(前年9.10%、前々年9.69%)
- 新規飼育頭数 44.4万頭(前年39.7万頭、前々年42.6万頭)
- 新規飼育意向率 0.62%(前年0.61%、前々年0.64%)
猫は、飼育頭数・飼育率が横ばいで推移。新規飼育頭数は下げ止まり。新規飼育意向率は前年同水準。
- 飼育頭数 915.5万頭(前年906.9万頭、前々年883.7万頭)
- 飼育率 8.61%(前年8.69%、前々年8.63%)
- 新規飼育頭数 35.9万頭(前年36.9万頭、前々年43.2万頭)
- 新規飼育意向率 0.47%(前年0.49%、前々年0.58%)
・犬猫飼育者の防災対策は不十分
犬飼育者の場合、「リード・ハーネスの用意」「トイレ用品の用意」「ペットフードの備蓄」「キャリーバッグ・ケージの用意」は3~4割程度の実施率。そのうち、20代での実施率はTOTALよりも低い傾向にある。
猫飼育者の場合、「キャリーバッグ・ケージの用意」「ペットフードの備蓄」「トイレ用品の用意」は4割以上の実施率。
犬飼育者同様に、20代での実施率はTOTALよりも低い傾向にある。
犬猫飼育者ともに、同行避難と同伴避難の違いを認知している人は6割程度。また、被災時に最寄りの避難所に避難予定の人は4~5割程度だが、実際に最寄りの避難所を知っている人は2割に満たない。
・飼育支援商品・サービスの浸透に課題
犬飼育者、猫飼育者ともに飼育支援サービスの利用率が低い。
犬飼育者の場合、一人暮らし世帯では「見守りカメラ」、片働き世帯では「ペットホテル・セカンドハウス」の利用率がTOTALよりやや高い。
猫飼育者の場合、共働き世帯や一人暮らし世帯では「見守りカメラ」「自動給餌器」の利用率がTOTALよりやや高い。
ペットホテル・セカンドハウス、ペットのしつけ・トレーニング、ペット用見守りカメラ、ペット用自動給餌器(特に猫)は、飼育意向者にとって飼育意向が高まる商品・サービス。また、無料預りサービスは飼育意向者の認知は低いが、飼育意向が高まると回答する人の割合は高い。
・飼育効用として、感情面での効用は特に感じられやすい
感情面での飼育効用は、物理的な飼育効用である「通院回数が減った」「近所とのつながりが増えた」「交友関係が広がった」「新しいことにチャレンジする気持ちが芽生えた」などよりも感じられている。
犬飼育者では生活規則性に関する効用が特徴的。
飼育意向者においても、具体的な健康効用よりも感情面の効用のほうが飼育意向が高まる様子。
・年々、経済的理由でペット飼育のハードルが高くなっている
犬猫ともに、飼育の阻害要因として、「お金がかかる」「(ペットの)価格が高い」のスコアが上昇傾向。
犬猫飼育者ともに、1年以内飼育開始者の入手価格をみると、低価格で入手する人が減り、無償入手する人が増えている。
同協会は動物との生活の3つの価値、すなわち「ペットと長く幸せに暮らす実践」、「人とペットの福祉向上」、「Human-Animal Bond」の情報発信を行っている。2024年は高齢者とペットに焦点を当てていたが、2025年は子どもとペットに関する情報発信を主に行う予定。