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■ロイヤルカナン ジャポン「ベテリナリーシンポジウム2024」の開催報告

2024-08-08 18:56 | 前の記事 | 次の記事

シンポジウム会場の様子

講演中の伊從慶太先生

講演中の福島建次郎先生

ロイヤルカナン ジャポンは、2024年8月7日、獣医療関係者を対象とした「ベテリナリーシンポジウム2024」[7月7日、ベルサール東京日本橋(東京都中央区)で開催]の概要を発表した。

「ベテリナリーシンポジウム」は、ロイヤルカナン ジャポンが全国の獣医療関係者を対象に毎年開催しているシンポジウム。26回目の開催となった今回は「犬のアトピー性皮膚炎と慢性腸症のための栄養戦略アップデート」をテーマに、両分野における専門医である2名の獣医師による講演が行われ、会場には161名が来場した。さらに7月10日~7月31日の期間、同シンポジウムの収録動画を特設サイトからアーカイブ配信し、このオンラインでの聴講者も合わせると合計で2,000名を超える獣医療関係者が参加した。

講演内容等について、以下の通り発表された。

「犬アトピー性皮膚炎に対する食事の使いドコロ-最新版-」

伊從慶太先生(アジア獣医皮膚科専門医)

犬アトピー性皮膚炎(CAD)における、初発年齢や好発品種などのシグナルメントや皮膚症状のほか、タイプ鑑別が重要となるCADの診断や治療に関するガイドラインや診療のステップも交えて紹介しました。

さらに、CADの治療を成功させる上で食事管理は不可欠として、特に皮膚食物有害反応の鑑別、痒みや皮膚炎の緩和、減薬、皮膚バリア機能向上の点において、療法食や栄養療法が果たす大きな役割について解説しました。

「犬の慢性腸症と蛋白喪失性腸症 診断・治療・栄養療法のアップデート」

福島建次郎先生(どうぶつの総合病院 専門医療&救急センター内科主任)

犬の慢性腸症について、鑑別やアルゴリズムなど診断の進め方を紹介した上で、症例の50~65%が低アレルゲン食に反応し、2~3週間で良好な反応が得られることが多い点など、慢性腸症の治療における食事療法の重要性について解説しました。

また、犬の蛋白喪失性腸症(PLE)については、近年、重要とされている病態生理に基づいた診断や治療の考え方を説明した上で、栄養学的な観点からは、低脂肪食や低アレルゲン食、手作り超低脂肪食などの食事の見直しの重要性についても紹介しました。

特設サイトでは学習動画や講演アーカイブなどの豊富なオンラインコンテンツを公開

またベテリナリーシンポジウム特設サイトでは、6月3日(月)から7月31日(水)まで、消化器疾患と皮膚疾患に対する体系的なアプローチ方法について学習いただける、オンラインコンテンツを提供しました。

消化器カテゴリーからは、本シンポジウムでの会場講演にて座長をお務めいただいた石田卓夫先生(赤坂動物病院)による「犬の下痢症例に対するスクリーニング検査」、栗原 学先生(ノースカロライナ州立大学画像診断科)による「犬の慢性腸症 超音波検査」、林 幸太郎先生(京浜どうぶつ医療センター)による「もう迷わない!~犬の下痢に対する食事療法の使い方~」の3本、皮膚カテゴリーからは、朝比奈良太先生(岐阜大学)による「犬アトピー性皮膚炎の病態アップデート」、今井昭宏先生(JASMINEどうぶつ総合医療センター)による「犬アトピー性皮膚炎の診断フローを考える-知っておくべきコツとピットフォール-」の2本の学習動画を公開しました。

さらに、伊從先生、福島先生による会場講演のアーカイブ動画も7月10日(水)から公開し、会場に足を運べなかった獣医療関係者にもご覧いただいたほか、講演内容の理解をより深めるための復習としてもご活用いただきました。