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■飢餓人口は3年連続高止まり 国連報告書

2024-08-08 18:34 | 前の記事 | 次の記事

国際連合食糧農業機関(FAO) 駐日連絡事務所は、2024年7月24日、2023年に世界では11人に1人、アフリカでは5人に1人に相当する約7億3,300万人が飢餓に直面したと発表した(参照:FAO 駐日連絡事務所ニュース「飢餓人口、依然3年連続高止まり:国連報告書」)。国連の5つの専門機関が発表した最新の「世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」報告書によるもの。

この年次報告書は、ブラジルで開催されたG20「飢餓と貧困に対するグローバル・アライアンス」タスクフォース閣僚級会合にあわせて発表され、2030年までに「飢餓をゼロに」の達成をめざす持続可能な開発目標(SDGs)の目標2に関し、世界が大きく遅れをとっていると警告している。報告書によれば、世界の栄養不足のレベルは2008年から2009年の水準となり、15年後退した。

発育阻害や完全母乳育児など特定の分野では一定の進展が見られるものの、世界の飢餓レベルは3年連続で頭打ちとなった。2023年には7億1,300万人から7億5,700万人の人が栄養不足となり、依然として憂慮すべき数の人々が、食料不安と栄養不良に直面している。この中間値(7億3,300万人)は、2019年より約1億5,200万人多い数値となっている。

飢餓の傾向は、地域ごとに大きく異なる。アフリカでは飢餓に直面している人口の割合は上昇を続け(20.4%)、アジアでは横ばい(8.1%)であった(ただし、アジアは世界で飢餓に直面している人々の半数以上が住んでいるため、依然として大きな課題が残る)。一方、ラテンアメリカでは改善が見られ(6.2%)、西アジア、カリブ海諸国、そしてアフリカ内のほとんどの地域では2022年から2023年にかけて飢餓が増加した。

現在の傾向が続けば、2030年には約5億8,200万人、うち半数がアフリカにおいて、慢性的な栄養不足に陥ると、国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連児童基金(ユニセフ)、国連世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)は警告している。この予測は、SDGsが採択された2015年の水準に近いものであり、進捗の停滞が懸念される。