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農研機構は、2024年1月23日、乳牛(ホルスタイン種)の後方から撮影した2次元画像を用いて、栄養管理を行う上で重要な指標であるボディコンディションスコア(BCS)を簡易かつ高精度に判定する手法を開発したと発表した(参照:農研機構プレスリリース)。これまで専門家が目視と触診で判定していたBCSを、スマートフォンなどの携帯端末で撮影した画像から高精度に判定することで、効率的で適切な栄養管理および繁殖成績の向上につながり、長命連産性(乳牛の生産寿命を延ばし、生涯の産乳量を高めることを目的とした指標の1つ。長生きして分娩を重ねられるように、個々の泌乳の能力や体型などを考慮した適切な管理を行うことで、生産性を向上させるもの)の向上が期待される。
これまでに、3Dカメラを使用した海外製のBCS自動判定装置が市販化されているが、日本で主流の繋ぎ飼い牛舎での導入が難しいことから、繋ぎ飼い牛舎でもBCSを簡易かつ高精度に判定できる技術開発が求められていた。
そこで農研機構は、農業機械技術クラスター事業にてコンソーシアムを形成し、ホルスタイン種の後方から撮影した2次元画像を基に腰まわりの部位にある腰角形状を数値化することで、BCSを判定する手法を開発した。同手法は知識、経験年数、環境に左右されず、スマートフォンなどの携帯端末等で撮影した画像からでもBCSを簡易かつ高精度に判定が可能。今後は判定の自動化や、付帯設備との組み合わせなどによる判定作業自体の自動化に向けて取り組む予定。
同コンソーシアムは、農研機構(代表機関)、北海道立総合研究機構、岡山県農業共済組合(NOSAI岡山)、徳島県立農林水産総合技術支援センター、株式会社リメディア、公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会(管理運営機関)から構成される。