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ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社は、2023年11月20日、牛ウイルス性下痢(BVD)ウイルス生ワクチン「ボベラ」の全国展開を開始した。
ボベラは、1年に1回の投与でBVDウイルス感染による臨床症状を軽減し白血球減少を抑制する。また母牛から胎子への垂直感染を防止し、持続感染(PI)牛出生を予防できる日本で唯一のBVD(1型・2型)生ワクチン。既存のBVD生ワクチンはPI牛の産出や流産を引き起こすため妊娠牛には投与できないが、「ボベラ」は妊娠牛にも安全に使用できる。年1回の一斉接種により牛群全体の免疫維持が可能。
BVDウイルスは、インターフェロン誘導を抑制することで宿主の自然免疫を抑制し、宿主体内で効率的に増殖する。「ボベラ」は、BVDウイルスの病原性に重要なNproおよびErns遺伝子をピンポイントで欠損させる、同社の2重欠損技術によりウイルスを高度に弱毒化し、ワクチン化したもの。その欠損により、インターフェロン誘導の抑制(免疫抑制)が生じず、妊娠の有無にかかわらず安全に使用することが可能で、PI牛を予防する効果が示されている。
ベーリンガーインゲルハイムは2015年に欧州で「ボベラ」を上市。これまでに世界20か国以上において合計2,200万ドーズ以上の販売実績がある。ドイツでは国を挙げてのBVD清浄化プログラムを実施しており、「ボベラ」は重要なツールのひとつとして貢献している。現在BVDの清浄化を目前にしている。
- 効能・効果:牛ウイルス性下痢ウイルス感染による臨床症状の軽減および白血球減少の抑制、胎子への垂直感染の防止
- 用法・用量:乾燥ワクチンに添付の溶解用液を加えて溶解し、その2mLを3か月齢以上の牛の筋肉内に注射。1年後に再注射することが推奨される。