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つくば市で行われた第28回日本野生動物医学会(2022年9月22日〜24日)で、小学館が展示ブースを出展した。展示されていたのはコミックの「へんなものみっけ!」。
市立博物館を舞台に、その研究者と事務員が主人公の漫画で、今回の大会長の田島木綿子先生がモデルとなっている研究者が登場、舞台はさまざまな博物館をモデルに描かれている。「月刊スピリッツ」に連載され、コミックは2022年10月3日時点で7巻まで発売されている。
作者の早良 朋さん自身が展示ブースに立たれ、漫画を紹介されていた。私は1巻の寄贈を受け、その面白さに引き込まれ、7巻までをすぐに購入した。
科学、学説への整合はとても気を使っており、研究者の書いた読みやすいエッセイを読んでいる感がある。それに魅力的なキャラクターが加わる。心根がよいキャラばかりで、読後感も心地よい。
第2巻は田島先生がモデルとなっているキャラが表紙を飾っている。その巻では、砂浜に埋め白骨化させたクジラを掘り出すことが描いてあるが、その中の骨について田島先生は「メチャクチャよい!」と絵のリアル感もお墨付き。作者の早良さんは、その発掘作業に実際に従事されたそうである。博物館が舞台なので、動物のみならず植物や鉱物についても描かれている。また、第3巻では猛禽類救護センターがモデルとなったストーリーが展開されている。
ストーリーの根底にあるのは「好きなことを仕事にしたい」で、惹かれるものがある。面白く、好奇心もくすぐられ、増刷を重ねているのも分かる。アニメ化や映画化も期待したい。
(記:松本 晶)