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■日本獣医師会総会 国民に有益なマイクロチップ登録を目指して

2022-06-28 13:47 | 前の記事 | 次の記事

挨拶を述べる日本獣医師会 会長の藏内勇夫先生

公益社団法人日本獣医師会の第79回通常総会が、2022年6月22日、東京・明治記念館およびオンラインで行われた。同会は55の各地区の獣医師会を会員として構成されている。当日は32会員が会場に集まった。公益社団法人香川県獣医師会の篠原公七先生を議長に、公益社団法人岡山県獣医師会の春名章宏先生を副議長に議事が進行し、審議事項は了承された。

長年の、かつ喫緊の課題となっているのは各地区獣医師会の構成獣医師の減少問題。2020年度は24,953人、2021年度は24,609人と1.4%の減少となっている。概ね20代のうちに入会しないと、そのまま未入会となってしまうとのこと。大学生や若手獣医師に向けて獣医師会の重要性をさらに発信していくとともに、魅力ある組織づくりや運営が問われている。

犬猫マイクロチップ指定登録機関事業の適切な運営も大きな課題。同会は指定登録機関に認定され、システムの開発や普及啓発事業、マニュアルの作成と説明会、コールセンターの設置などを行い、6月1日に法的登録が開始された。

しかし、すでに26年間行われている動物ID普及推進会議(AIPO)の登録事業(累計登録数は約286万頭)とは連携されておらず、獣医師による検索ができない、地区獣医師会は関与できないなどの問題もある。現在のままでは同会の多額の赤字運営となる。

同会では各地区の獣医師会と連携して、運営の変更、改善に向けて環境省と交渉していくとともに、犬の登録、定期予防注射の実施、狂犬病予防注射済票の公布などの自治体の事務を獣医師会が受託し、マイクロチップの登録事業を一体化するワンストップサービスの実施のさらなる推進に向けて、法改正も目指す。

なお、2021年10月1日より駒田逸哉氏が事務局長を務めている。

※参考WEBサイト:環境省のマイクロチップ移行登録サイト(移行登録の受付期間を令和4年6月30日まで延長)