JVMNEWSロゴ

HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事

■牛のゲップ由来メタン削減技術開発の加速化へ 農研機構

2022-06-28 13:28 | 前の記事 | 次の記事

チャンバーを用いた標準法での呼気ガス測定(画像提供:農研機構)

搾乳ロボットにおける搾乳牛でのスニファー法による呼気ガス測定。エサ箱の中のガスをポンプで吸引し、別室のガス分析計で濃度を分析する。(画像提供:農研機構)

搾乳ロボットでの呼気ガス測定システム(画像提供:農研機構)

農業・食品産業技術総合研究機構は、2022年6月9日、「新たな牛のメタン排出量算出式を開発しマニュアル化-牛のゲップ由来メタン削減技術開発の加速化に期待-」をテーマとしたオンライン記者会見を行った。同日、「プレスリリース」が配信された。

発表内容は、気候変動緩和コンソーシアムが牛のメタン排出量算出式を開発したというもの。同コンソーシアムは、農研機構が代表を務める。一連の成果をまとめ「ウシルーメン発酵由来メタン排出量推定マニュアル」として公表した。同マニュアルを用いて牛からのメタン排出量を求めることで、より簡便にメタン排出量の個体差や飼料によるメタン排出量の違いを比べることができる。

従来ネックとなっていたのは、牛が排出するメタンの正確な測定法。大型の特別な施設(チャンバー)を使う必要があり、測定する牛の数は限られる。

欧州で開発されたスニファー法を用いれば、メタン排出量を多くの頭数で測定できる。農研機構は、今回、乳牛のメタン排出量の基礎データを測定し、スニファー法向けの簡易な算出式を開発した。また、スニファー法により、牛の飼料によるメタン排出量の違いを評価できることを明らかにした。

この成果により、多くの施設で測定が可能となる。