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ベーリンガーインゲルハイムは、2022年4月5日、業績に関する記者会見をオンラインで海外ともつないで行った。会見はドイツ本社で行われ、オンライン上では英語、ドイツ語、韓国語、日本語が選択できた。また同社はウクライナでも事業展開しているが、その社員の動向にもふれた。
2021年の全体の売上高は、前年同期比5.4%増の206億ユーロ(約2兆6,751億円)であった。また研究開発投資総額は11.7%増の41億ユーロ(約5,324億円)で売上高に占める割合は20.0%となっており、アニマルヘルス事業での投資も2020年の4億1200万ユーロ(約535億円)から4億1600万ユーロ(約540億円)と1%増加している。今後5年間の研究開発投資額は250億ユーロ(約3兆2,464億円)以上、設備投資は70億ユーロ(9,090億円)の予定とのこと。
また、国際的に薬剤耐性菌問題を解決するために、製薬メーカ等により2020年に設立された「AMR action fund」に参加して投資を行っていることも紹介した。
同社の記者発表では、アニマルヘルス事業のことも重視されている。2021年のアニマルヘルス事業は、前年同期比6.2%増の43億ユーロ(5,584億円)で、全体を上回る増加率となっている。
売上トップの製品は犬用の寄生虫駆除薬「ネクスガード」。コンパニオンアニマル分野の売上高は、前年同期比16.6%増の9億1,600万ユーロ(約1,189億円)であった。犬・猫用の寄生虫駆除薬「フロントライン」の売上は前年同期比4.8%増の4億1,800万ユーロ(約543億円)。産業動物分野では、豚領域全体では前年同期比3%増で、豚用ワクチン「インゲルバック サーコフレックス」の売上高は、前年同期比2.7%減の2億5,300万ユーロ(約329億円)であった。今後について、アフリカ豚熱のワクチン開発や農場のバイオセキュリティをサポートする事業展開についてふれた。
また5月10日に日本ベーリンガーインゲルハイムもハイブリッドで業績に関する記者会見を行った。アニマルヘルス事業については、5月2日にベーリンガーインゲルハイム アニマルへルス ジャパン株式会社の代表取締役社長に就任した長谷部裕之 氏が担当した。
売上は235億円(卸売出荷ベースで前年比1.0%増)と堅調であった。売り上げのNo.1は国際動向と同様で「ネクスガード」ブランドで、卸出荷ベースで109億円(前年比9.6%増)であった。「ネクスガード」ブランドと「フロントライン」、猫用駆虫薬「ブロードライン」などの製品群は、犬・猫用寄生虫駆除薬市場の50%を超えるマーケットシェアを維持した。犬用慢性心不全薬「ベトメディン」は10億円(前年比9.6%増)、豚用ワクチン「インゲルバック」シリーズは41億円(前年比8.2%減)であった。
今期は2021年9月に全国展開を開始した養鶏用HVTベクターワクチン「バキシテックHVT+IBD」に期待するとのこと。また咳音検知技術「SoundTalks」を活用した飼養豚の体調管理に関する実証実験を、有限会社臼井農産および東日本電信電話株式会社神奈川事業部とともに実施していることを報告した。