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ロイヤルカナン ジャポンは、2022年4月28日、オンライン・シンポジウム『VETERINARY SYMPOSIUM(ベテリナリーシンポジウム)2022 SPRING』の報告を発表した。全国の獣医師・動物看護師、獣医学生を対象に2022年3月に行ったもの。
今回のシンポジウムの内容は猫の代表的な問題の1つである「猫の尿路における出血」について、専門家によるライブセミナー。1か月の期間中に2,814人の獣医療関係者が参加し聴講した。
同社が発表したシンポジウムの報告記をそのまま紹介する。
東京猫医療センター院長の服部 幸先生には、「下部尿路疾患 虎の巻」をテーマに、頻尿・血尿・排尿障害・不適切な場所での排尿など、よく認められる下部尿路疾患の兆候から、疾患の見落としを防ぐために必要な検査や、診断の際のアドバイス、治療における注意点など、多岐にわたって解説を行っていただきました。
また疾患管理において重要な猫の飲水については、のどの渇きに鈍感な猫の飲水量を増やすコツとして、「水分を多く含むウェットフードを与える、運動させる、食器の材質、設置場所を工夫する、新鮮な水を与える」など、現場の獣医療関係者からペットオーナーへアドバイスできる自宅での工夫点などについても触れていただきました。
東京農工大学特任講師で、どうぶつの総合病院の獣医師・入交眞巳先生には、猫の特発性膀胱炎のトリガーとなる「猫のストレスをどうやって下げるか?」をテーマに講演を行っていただきました。猫のストレス軽減のため、「トイレ環境の改善、猫同士の関係改善、フードの改善、遊びの工夫」などについて具体例を挙げ詳しく解説。ペットオーナーの知識向上にも役立つ様々なアドバイスをいただきました。入交先生からは「大きい面積を使って排泄する猫にとって小さいトイレはストレス。体長の1.5倍のサイズがあり、カバーがないほうがいい。設置場所も考慮が必要。また購入する砂の種類に迷う場合は、できるだけ細かい砂を購入していただくようペットオーナーの方へアドバイスする」など、猫の生活の質向上に関わる点について、細かにアドバイスをいただきました。また、猫に楽しく遊んでもらうための工夫として、ドライフードを使った手作りおもちゃやトレーニングを兼ねた遊びなども紹介し、ペットオーナーが自宅で手軽に実践できるアイデアをご提示いただきました。
クワハラ動物病院の院長・桑原康人先生には「猫の尿管閉塞の診断と対処」をテーマに講演していただきました。様々な症例における、所見・診断・治療に関する解説を行い、症例から読み取るべきメッセージを伝えていただきました。また、尿管閉塞の再発予防には、水分を積極的に摂取し常に尿管内に水分が流れる状態を維持することが有効なため、自宅でのウェットフードや皮下補液の活用などのアドバイスもいただきました。