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日本獣医内科学アカデミー第18回学術大会で研究アワード(JVM賞)を受賞した山本 晴先生にコメントをいただいた。
受賞研究テーマ:
- 「イヌ正常膀胱オルガノイド培養モデルの確立」
- 山本 晴(東京農工大学 獣医薬理学)
この度は日本獣医内科学アカデミーにて大変名誉ある賞を頂戴し、光栄に思います。
昨今のコロナ禍の中、オンライン開催での滞りない大会開催に向けてご尽力いただいた実行委員の皆様、審査員の皆様、また、文永堂出版の皆様にこの場を借りて心より御礼申し上げます。
わたくしは東京農工大学共同獣医学科を卒業後、小動物臨床獣医師として現在も勤務を続けておりますが、2020年10月に同大学博士課程に入学し、2年次に在籍しております。
本大会では、健常犬における正常膀胱オルガノイド培養モデルの確立について発表させていただきました。犬において膀胱癌は化学療法の治療効果が乏しく、外科的な病変部の完全切除も難しいことから、難治性の癌として知られています。そこで、今回作製を行った犬の正常膀胱オルガノイドを利用し、膀胱癌オルガノイドとの病理学的・遺伝学的特徴について解析を行いました。正常と膀胱癌双方のオルガノイドにおいて明確な違いが示される結果となり、本モデルが犬の膀胱癌の病態メカニズム治療法、予防法の解明につながる可能性が示されました。
今後も継続して伴侶動物のがん研究に取り組み、獣医療の発展に少しでも寄与できるよう、またいただいた賞の名に恥じぬよう日々精進してまいります。
ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
§編集部追記
山本先生はエアデックmini株式会社を設立し、ペットの病理検査と3次元培養細胞を用いたオーダーメイドのがん治療の確立を目指した研究開発に取り組んでいる。
参考ニュース記事:
JVM NEWS 2022-03-07「JCVIM2022アワード受賞者が発表される」