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■ロイヤルカナン ジャポンの「ベテリナリー シンポジウム」開催記

2022-01-25 11:48 | 前の記事 | 次の記事

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石田卓夫先生による学術セミナーの画面

中村篤史先生による学術セミナーの画面

ロイヤルカナン ジャポンは、2022年1月14日、『ベテリナリー シンポジウム in オンライン 2021秋』の開催概要を報告した。

獣医師、動物看護師および獣医学生を対象に2021年11月1日~12月15日に開催したもので、前年に引き続き、オンライン形式での開催。2,600名の獣医療関係者が参加し、学術セミナーやe-ラーニングなどのコンテンツを延べ2万回以上視聴したとのこと。

今回のテーマは「犬と猫のライフステージへ寄り添う―『成長期の犬と猫のための獣医療』および『高齢期のQOLをより高めるための獣医療』―」。同社が発表したシンポジウム概要の一部を以下に掲載する。

石田卓夫先生(赤坂動物病院 医療ディレクター)による「子犬のウェルネス-健康で美しい最高の成犬に成長させるためのプログラム-」「子猫のウェルネス-健康で美しい最高の成猫に成長させるためのプログラム-」では、0歳の子犬・子猫が、健康な1歳の成犬・成猫に成長するために必要な、獣医師/動物病院の役割や行動を、新しい獣医学の観点から紹介しました。動物病院は、犬・猫のウェルネスを維持するために、病気の治療だけではなく、「予防」「食事管理」「しつけ」などのトータルなヘルスケアを提供することが重要であるとして、そのために必要な1歳までの健康管理を詳細に解説されました。

中村篤史先生(TRVA夜間救急動物医療センター 院長)による「幼若犬猫の救急医療」では、押さえておきたい幼・若齢期の救急疾患として、「新生子低血糖への対応」「感染症への対応」「誤食/腸閉塞への対応」「マズルコントロールによる陰圧性肺水腫への対応」を、時間的猶予がない中で、どのように治療すればいいか、実際の症例をもとに紹介しました。「感染症への対応」では、パルボウイルス感染症にフォーカスをあてて、子犬のエコー所見などを交えながら、診断方法から治療方法までを詳細に解説されました。

その他にも、木村太郎先生(動物外科診療室東京 院長、東京医科歯科大学 講師)による「犬の成長期によく出会う整形外科疾患」、「子犬の周術期管理」、竹内さやか先生(JASMINEどうぶつ総合医療センター獣医師)による「子犬と子猫の聴診-心音の評価とその後の管理法-」、新居康行先生(JASMINEどうぶつ総合医療センター)による「専門家によって意見が異なる?! 私はこうしている、心疾患動物の栄養管理」、浅野明子先生(高木國雄法律事務所 弁護士)による「獣医師がおさえておくべき動物愛護法改正と新基準」など普段なかなか聞くことができない専門的な知見からの犬・猫の健康維持に関する講演をご提供しました。

また、佐野忠士先生(酪農学園大学 附属動物医療センター 麻酔科/集中治療科)による「避妊去勢手術の手法・麻酔・術後の食事管理~犬と猫への負担軽減のためのレビュー~」、小澤真希子先生(獣医行動診療科認定医)による「高齢期の犬猫の認知機能不全症候群」の2本のライブオンラインセミナーを実施。質疑応答など、ライブ配信ならではのインタラクティブなセッションを通じ、獣医師および動物看護士の皆様の理解を深めました。さらに、特別講演として、大谷祐紀先生(北海道大学大学院獣医学研究員、エジンバラ大学獣医学部)による「取ったら終わりじゃない?いま考える精巣・卵巣の解剖生理」などもご用意し犬猫の避妊・去勢に着目した生殖器の解剖・生理、性ホルモンの役割について解説しました。