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■愛玩動物看護師の国家試験に向けての検討が進む

2021-01-14 10:07 | 前の記事 | 次の記事

会議の様子。中央奥は西村亮平先生(オンライン画面より)

環境省は、2021年1月8日、「愛玩動物看護師カリキュラム等検討会」の第2回目のワーキングチームによる会合を開催した。会議室に参集した会議が予定されていたが、緊急事態宣言下となったため、座長の西村亮平先生(東京大学)と事務局のみが会議室に集まり、他の委員はオンラインでの参加となった。会議はYouTubeでライブ配信された。

議題は、愛玩動物看護師の養成に必要な科目・到達目標、国家試験と予備試験など。

認定動物看護師教育コアカリキュラム(https://www.ccrvn.jp/sincorecurriculum.html)をベースとした、コアカリキュラムのたたき台が作成され(「大学及び養成所において履修すべき科目及び履修すべき科目の到達目標」)、その最終案作成に向け討議が進められた。

たたき台における履修すべき科目とその履修時間は次の通り。

  1. 基礎動物学(360時間)
    • 生命倫理・動物福祉(30時間)
    • 動物形態機能学(120時間)
    • 動物繁殖学(30時間)
    • 動物行動学(30時間)
    • 動物栄養学(60時間)
    • 比較動物学(60時間)
    • 動物看護関連法規(15時間)
    • 動物愛護・適正飼養関連法規(15時間)
  2. 基礎動物看護学(270時間)
    • 動物看護学概論(30時間)
    • 動物病理学(30時間)
    • 動物薬理学(60時間)
    • 動物感染症学(90時間)
    • 公衆衛生学(60時間)
  3. 臨床動物看護学(360時間)
    • 動物内科看護学(90時間)
    • 動物外科看護学(60時間)
    • 動物臨床看護学総論(30時間)
    • 動物臨床看護学各論(120時間)
    • 動物臨床検査学(30時間)
    • 動物医療コミュニケーション(30時間)
  4. 愛護・適正飼養学(210時間)
    • 愛玩動物学(60時間)
    • 人と動物の関係学(30時間)
    • 適正飼養指導論(60時間)
    • 動物生活環境学(30時間)
    • ペット関連産業概論(30時間)
  5. 実習(600時間)
    • 動物形態機能学実習(30時間)
    • 動物内科看護学実習(120時間)
    • 動物臨床検査学実習(60時間)
    • 動物外科看護学実習(90時間)
    • 動物臨床看護学実習(60時間)
    • 動物愛護・適正飼養実習(60時間)
    • 動物看護総合実習(180時間)

これらが国家試験にかかわる科目であり合計で1,800時間となる。年間の履修時間は800時間であり、3年間の教育の場合、合計2,400時間から1,800時間を差し引いた600時間が各大学・養成所独自の教育にあてる時間となる。

今回のコアカリキュラムに新たに設置された動物生活環境学やペット関連産業概論については、「エビデンスがあるのか」、「共通認識をもった上で授業ができるのか」との心配の声が出たが、「新たな学問分野として育てていくという考え方があってもよい」「今後の就職につながる分野は取り上げたほうがよい」などの意見も出た。西村座長は「教える側の努力も必要だろう」とし、科目は残し、到達目標を整理することで対応していくこととなった。

法規や行動学の履修時間についても熱心な意見が交わされた。

また国家試験・予備試験が事務局から提案された(「愛玩動物看護師国家試験及び予備試験について(報告書のたたき台)」)。

次回ワーキンググループの会合は「受験資格の特例」を議題に、2月4日に行われる。