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■最新情報に基づく細菌の分類表を文永堂出版Webページに掲載

2021-01-13 16:46 | 前の記事 | 次の記事

文永堂出版株式会社は同社が発行する『獣医微生物学第4版』のWebページ上に微生物の最新分類表を掲載している。これらは、同書を編集された先生方に作成していただいている。

2021年1月8日に細菌の分類表(Excelファイル)を更新した。

その主な更新内容を関崎 勉先生が以下の通り解説した。

  1. ウイルス分類表が2020年の更新でPhylumからの記載となり、細菌もそれに合わせてPhylumからの記載とした。将来はグラム陰性と陽性に大きく分けての記載になると思われ、これまで一番下に別に記載されていたChlamydiaをグラム陰性菌の一番下に移動させた。なお、Species 2000のCatalogue of Lifeでは、最上位がKingdom、その次にSubkingdomが入り、グラム陰性菌が含まれるNegibacteriaとグラム陽性菌が含まれるPosibacteriaが設定されている。しかし、細菌分類の公式雑誌であるIJSEMでは、Negibacteriに対するもう1つのSubkingdomはUnibacteriaで、その中にDivisionとしてPosibacteriaとArchaebacteriaとなっている。いずれどちらかに解決するだろうが、現時点では定まっていない。
  2. 豚のGlasser病の原因菌のHaemophilus parasuisが新しい属に分類されてGlaesserella parasuisとなったため、新たな属を設定し、同義語に昔の名前を記載した。
  3. Yersinia enterocoliticaが2つのsubsp. enterocoliticapalearcticaに分かれて、論文などでこれが多く使われている状況があるが、それがIJSEMに掲載されたかどうか確認ができていないところである。しかし、新たな分類を記載した論文が多い状況に合わせ、このsubsp.も表に入れて、同義語その他のところにこれが発表された論文Int J Med Microbiol.290:61-64,2000.を入れることにした。

なお同書Webページ上には、以下の表(Excelファイル)が掲載されている。

  • ウイルス最新分類(2020年6月19日更新)
  • 細菌最新分類(2021年1月12日更新)
  • 真菌最新分類(2020年4月18日更新)
  • 表9-1(ウイルス、2020年10月9日更新)
  • 表9-2(ウイルス、2020年10月9日更新)
  • 表9-3(ウイルス、2020年10月9日更新)