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アニコム先進医療研究所株式会社は、2020年12月17日、米国のミズーリ大学、京都大学野生動物研究センターと共同で、日米の13猫種と雑種猫の計1,022匹の遺伝情報を解析し、ネコの遺伝的多様性が国や品種によって多様であることを明らかにしたと発表した(https://www.anicom-med.co.jp/news/20201217.html)。
猫の遺伝的な多様性はこれまで複数の研究で調べられてきたが、地理的に離れた集団間で比較された例はほとんどなかった。今回、同一品種にも関わらず、国の間で遺伝的多様性に違いがある品種とない品種があることが分かったことで、遺伝性の病気や体質についても、品種や国により異なっていることが示された。
アビシニアン種は、国を超えて遺伝的多様性が小さく、かつ近親交配の程度が高かったため、近親交配による疾患リスクの上昇が懸念される。こうしたリスクを下げるために、今後は、個体ごとに遺伝情報を詳細に調べた上で、適切なペアの間で交配することが必要であると言える。
- 掲載誌:Genomics
- 公開:2020年11月25日にオンライン公開
- 論文タイトル:Genetic relationships and inbreeding levels among geographically distant populations of Felis catus from Japan and the United States
- 著者:Yuki Matsumoto, Napat Ruamrungsri, Minori Arahori, Hisashi Ukawa, Ken Ohashi, Leslie A.Lyons, Genki Ishihara
- 掲載誌:Genomics DOI: 10.1016/j.ygeno.2020.11.018
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33246017/