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■新型コロナウイルス 犬での陽性確認 アニコムグループ

2020-08-05 18:01 | 前の記事 | 次の記事

アニコムグループは、2020年8月3日、預かった2世帯の犬2頭が新型コロナウイルス「陽性」の結果となったことを発表した(https://www.anicom.co.jp/release/2020/200731.html)。2020年4月10日より新型コロナウイルスに感染した方の飼育するペットを預かるプロジェクト『#StayAnicom』を実施しており(https://buneido-shuppan.com/jvmnews/article/jvm20200410-005)、コロナウイルスの感染予防のためにペットに対するPCR検査を行っている。

同プロジェクトでは、この時点までに犬29頭、猫12頭、ウサギ1頭の合計42頭を預かり、全てのペットで複数回のPCR検査を実施している。今回「陽性」が判明した2頭の犬も同様に、複数回のPCR検査を異なる複数施設で実施し、「陽性」の検査結果となった。海外での犬や猫の感染報告では、数日中に「陰性」の結果に転じることが多いとの報告があり、現在、1頭については「陰性」の結果に転じ、2頭とも健康状態に大きな問題はないとのこと。この2頭で新型コロナウイルスの感染が成立したかについては、明らかとなっていない。今後、抗体検査を実施し判断を行う予定とのこと。

同プロジェクトでは預かったペットは「陰性」が確認されるまで隔離して飼育する検疫を実施し、2頭の犬も現在まで隔離した状態で単頭飼育されている。他のペットへの感染の拡大は認められていない。また預かり対応を行う同社グループ従業員は、防護服を着用して飼育等を行うなど二次感染防御を徹底している。今回の確認を受け、当該犬と接触をしたすべての従業員を対象にPCR検査を行い、同時点での結果は「陰性」で、体調不良等の報告はない。

§同社が同時発表した海外報告の例

  • 犬と猫の感染報告事例
    • 犬は香港・米国で感染が報告されているが、猫に比べて感染例が少なく、研究でも感染が起こりにくいことがわかっている。一方、猫は米国、ベルギー、フランスなど複数の国で感染が確認されている。研究でも感染が確認され、猫同士の伝播が起こることがわかっている。
  • イタリアでの大規模調査
    • 先日発表された伊バーリ大学の研究チームの報告(対象:ペットの犬540頭・猫277頭)によると、PCR検査で犬・猫ともに陽性はゼロであったが、抗体検査では犬で3.4%、猫で3.9%が陽性であった。飼い主が感染している家庭の犬の方が感染していない家庭に比べて陽性率が高かったという報告があった。