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■相模湾で採取した「コトクラゲ」展示 株式会社FullDepth・新江ノ島水族館

2020-08-05 18:19 | 前の記事 | 次の記事

江の島沖水深130 mで発見したコトクラゲ

産業用水中ドローン「DiveUnit300」

株式会社FullDepthは、新江ノ島水族館との深海探査共同プロジェクトで非常に珍しい「コトクラゲ」の採集に成功し、2020年8月5日より新江ノ島水族館で展示が始まったと同日発表した(https://www.enosui.com/animals.php)。

コトクラゲは有櫛動物門、有触手綱、クシヒラムシ目に分類される。有櫛動物はクシクラゲ類とも呼ばれ、クラゲと名が付くが、ミズクラゲなどが分類される刺胞動物ではない。黄色やオレンジ、赤い水玉模様など、様々な体色のものがいて、海底の岩やヤギ類に付着し、細長い触手を伸ばしてプランクトンなどを捕食する。1941年に昭和天皇が江の島沖水深70mの底生生物調査にて採集され、翌年の1942年に京都大学の駒井卓博士によってLyrocteis imperatorisと命名、新種記載された。

その後、2005年に鹿児島県野間岬沖で67年ぶりに採集されるまで記録はなかった。近年になって沖縄県恩納村沖、駿河湾などから採集記録があるが、相模湾での記録はなく、今回の採取は79年ぶりの原記載地(新種記載時の生物採集場所)と思われる。

採集した「コトクラゲ」展示個体は2020年7月30日に、江の島沖水深130mの岩礁域で株式会社FullDepthの水中ドローン「DiveUnit300」を用いた調査で発見・採集された。