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日本獣医内科学アカデミー第16回学術大会で研究アワード(JVM賞)を受賞した長尾乙磨先生にコメントをいただいた。
受賞研究テーマ:「CTを用いた犬の骨格筋量評価方法の検討」
長尾乙磨(東京大学獣医内科学研究室)
このたびは日本獣医内科学アカデミー第16回学術大会の研究アワードにご選出いただき誠にありがとうございます。
本研究では、CT画像を用いて算出した全身での骨格筋量と相関する骨格筋厚を探索したところ、側頭筋厚が最も高い相関を示すため側頭筋厚が骨格筋量評価に有用であるということが示されました。さらに発表では、パイロットスタディではありますが、超音波を用いて測定した側頭筋厚についても骨格筋量評価に有用であり、無麻酔下での評価も行える可能性を示しました。
この研究のスタートは、私の担当教員からいただいた「筋トレが好きなのだから、筋肉の研究とかいいのでは?」という言葉でした。大学でアメリカンフットボール部に所属し、毎日ウェイトトレーニングを行い、筋肉を愛していた私にはぴったりのテーマでした。しかし、研究を進めてみると人間では簡単に測定できる骨格筋量も、動物においては簡単に評価する方法が確立されていないという大きな壁に直面しました。そこで第一歩として始めたのがこの研究でした。
これらの研究成果が聴衆の皆様に評価をいただいたことはとても嬉しいことではありますが、まだ研究のスタートラインに立ったに過ぎません。まず、全ての獣医師が骨格筋量評価を簡便かつ客観的に行えるように、今回はパイロットスタディであった超音波での骨格筋量評価方法を確立するために研究を大学院で進めたいと考えています。
参考ニュース記事:
「JVM賞を内田萌菜先生と長尾乙磨先生が受賞」(