HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事
宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター(CADIC)の岡林環樹先生は、2019年7月25日、「7大学防疫コンソーシアムシンポジウム」において、タイに口蹄疫の研究拠点を設置することを紹介した。
CADICでは、現在もタイのチュラロンゴン大学やインドネシアのボゴール農業大学などとネットワークを形成し、研究協力などを行っているが、タイのチュラロンコン大学にCADICサテライト・ラボを設置することを発表した。
サテライト・ラボでは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)の援助で、SATREPSと名付けた事業が行われる。東京農工大学農学部附属国際家畜感染症防疫研究教育センター(CEPiA)も研究協力する。
SATREPSの事業は以下の3つの研究課題に分けられる。
- 家畜関連感染症の診断システム開発
口蹄疫、アフリカ豚コレラ、豚コレラの迅速診断キットや牛呼吸器病などのマルチ感染症診断システム - 感染症拡散モデリング・その情報配信システムによる防疫体制構築
感染症の拡散パラメータを集積し数理モデルを構築。感染症情報の集約配信アプリの開発 - 新規微生物除去システムの開発
共振型超音波技術を用いた食鳥肉の病原微生物制御技術の開発。自然素材を用いた畜舎環境浄化や新規飼料添加物の開発。
また、タイは口蹄疫の発生国であるが、まずはフリーゾーンをつくり、そこからの食肉等の輸出も目指す。このプロジェクトは2020年から5年間行われ、2019年はその準備を進めている。
口蹄疫発生国の現場での研究は、2010年に口蹄疫を発生した宮崎県にある大学として今後の防疫研究に大きな貢献が期待される。
なお、CADICも参加している東南アジア防疫コンソーシアムでは、宮崎大学を巣立った多くの元留学生が関わっているとのこと。