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前ニュースに掲載したサテライトセミナーに関する説明会に引き続き、日本獣医麻酔外科学会では企業展示等でのあり方についての説明会を行った。説明者は倫理委員会 委員長の枝村一弥先生(日本大学)。
日本学術会議に所属する学術団体はコンプライアンスが求められているとして、枝村先生は農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課薬事監視指導班と共に学会展示での規定をまとめた。
問題となるのは農林水産省未承認の薬品や機器。展示は可能であるが、販売や授与はできない。関係資料の配布は原則として認められず、研究発表された論文の別刷りなどに限り配布できる。厳密には展示責任者は適正度をチェックする必要がある。枝村先生は農林水産省の担当者と一緒に昨年の学会展示をまわり、問題があるかどうかを視察されたとのこと。
また展示における動物用医薬品等の広告文言について、以下の表現は避けるようにと注意した。
- 「最大級の表現またはこれに類する表現」(例:最高)
- 「承認を受けた内容を誤認、誤認させるおそれのある表現」(例:高貴薬配合)
- 「性能、効能又は効果を保証する表現」(例:根治する)
- 「他社製品を誹謗又はそのおそれのある表現」(例:××に比し安全)
- 「指定し、公認し、推薦し又は運用している」(××大学教授御推薦)
次いで枝村先生は海外で販売されている動物用医薬品の輸入に関する説明を行った。なお詳細な内容は農林水産省のWebページに記載されていると紹介した。(http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/y_import/kakunin.html)
獣医師が海外で動物用医薬品を購入して、国内に持ち込むことは違法ではないが、同学会では、輸入手続きを行って国内に持ち込むことを推奨している。
続いて生体を用いた実習やセミナーの注意点、新規治療法を用いた臨床研究の発表などでの注意点を説明。
最後に、同学会が厳格に明示するようになった利益相反ついて説明。金銭の授受や便宜などは違法ではなく、決して悪いことではないが、それを明示することが大事で、利益相反に該当する事項を述べた。
司会をつとめた同学会副会長 入江充洋先生(四国動物医療センター)は「健全な学会運営を行うために必要なことです」と述べた。
説明を行った枝村先生は最後に「未承認の製品の展示も歓迎しています。ただしルールは守りましょう」と締めくくった。