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農林水産省は、2019年5月21日、農林水産省第3特別会議室で「食料・農業・農村政策審議会 第35回家畜衛生部会」を開催した。
「食料・農業・農村政策審議会」は、「食料・農業・農村基本法(1999年法律第106号)」第39条に基づき設置された農林水産大臣等の諮問機関で、家畜衛生部会が置かれ年に2回ほどの会議が行われている。この部会は消費・安全局の動物衛生課が取り仕切っている。
新井ゆたか 消費・安全局長(局長のプロフィールは https://buneido-shuppan.com/jvmnews/article/jvm20190412-001)の挨拶についで、熊谷法夫 動物衛生課長が、前回の家畜衛生部会(2018年11月5日)以降の家畜衛生をめぐる情勢として、豚コレラや検疫、畜産物の輸出について述べた。
豚コレラに関しては、過去の清浄化の経緯として、1996年に撲滅体制確立対策事業を開始、2007年に撲滅宣言、すなわちワクチン接種を中止するまでに11年がかかったこと、国際獣疫事務局(OIE)清浄国のステータスが認証されたのは2015年と説明。対策については、イノシシへの経口ワクチン投与の状況や物理的なフェンスの設置について報告した。
検疫や畜産物の輸出については、アフリカ豚コレラへの国際協力も進められているが、2019年5月11日、12日に𠮷川農林水産大臣を座長として開催されたG20新潟農業大臣会合において「OIEを含む国際機関への支援と情報共有の強化および特にアフリカ豚コレラ等の越境性動物疾病に対処するためのOIE基準の実施が重要である」との閣僚宣言が採択されたこと、また5月24日にフランスで開催された第3回首席獣医官会合において、各国のアフリカ豚コレラ、豚コレラの防疫措置の技術的な意見交換が行われたことを報告した。
今回の家畜衛生部会の議題は以下の通り。
- ウクライナの高病原性鳥インフルエンザ清浄性認定に関するリスク評価(報告)
- 豚コレラおよびアフリカ豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針の見直しについて(諮問)
- ロシア連邦トゥーラ州およびブリャンスク州における高病原性鳥インフルエンザ清浄性認定に関するリスク評価(諮問)
- 高病原性鳥インフルエンザおよび低病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針の見直しについて(答申)
- 口蹄疫・牛疫・牛肺疫に関する特定家畜伝染病防疫指針の見直しについて(答申)
食料・農業・農村政策審議会 家畜衛生部会のメンバーは以下の通り(敬称略)。
- 委 員
- 上岡美保(東京農業大学国際食料情報学部国際食農科学科 教授)
- 知久 久利子(知久牧場)
- 松尾直人(株式会社 ラルズ 常務取締役)部会長
- 臨時委員
- 伊藤壽啓(鳥取大学農学部共同獣医学科 教授)
- 加藤道博(酪農家)
- 齋藤利明(一般社団法人 日本養鶏協会 会長)}
- 里井真由美(フードジャーナリスト、フード・アクション・ニッポン アンバサダー)}
- 佐藤真澄(日生研株式会社 信頼性保証室長)
- 立花 智(北海道農政部食の安全推進局 食の安全推進局長)
- 津田知幸(KMバイオロジクス株式会社 社長付技術顧問)
- 筒井俊之(農研機構 動物衛生研究部門 部門長)
- 中島一敏(大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科 教授)
- 中林正悦(有限会社中林牧場 代表取締役)
- 橋本信一郎(株式会社 ウェルファムフーズ 霧島産業動物診療所 所長)
- 日髙省三(農事組合法人日髙養豚場 理事)
- 渕上新蔵(かごしま中部農業共済組合基幹家畜診療所 所長)
- 眞鍋 昇(大阪国際大学 学長補佐・教授)
- 毛利資郎(国立大学法人 東北大学 客員教授)
なお、当日の配布資料は以下のURLに掲載されており、議事録も掲載される予定。