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■IoTで家畜のストレス管理 実証実験開始 ホシデン株式会社、凸版印刷株式会社、日本全薬工業株式会社

2019-05-09 20:34 | 前の記事 | 次の記事

子牛への「MEDiTAG」装着の様子

「家畜健康管理サービス」使用イメージ

 ホシデン株式会社、凸版印刷株式会社、日本全薬工業株式会社の3社は、2019年5月9日、凸版印刷が提供する「ID-Watchy RBio(アイディーウォッチーバイオ)」を活用し、家畜の活動状況と連携したストレスなどの生体情報の取得により健康状態が把握できる「家畜健康管理サービス」(以下、本サービス)の開発に向けて3社共同で実証実験を開始すると発表した。

 株式会社トータルハードマネージメントサービスの協力のもと、北海道野付郡の牧場であるトータルハードカーフサービスにおいて、2019年5月下旬より子牛の飼育における当サービスの実証に向けての検討を開始、本格的な実証実験を2019年夏より行う。

 このサービスは、凸版印刷株式会社が提供する位置情報とネットワークカメラの映像データによる労務管理と、生体センサー連携によるデータ取得で作業員の健康状態を把握できる「ID-Watchy Bio」を活用する。実証実験では、「ID-Watchy Bio」の機能である生体センサー「MEDiTAG(メディタグ)」の装着器を家畜専用に改良し、足や首へ装着することで家畜のストレスなどの生体情報の常時取得と可視化を検証し、リアルタイムで映像と生体情報が連動することで、体調急変などの早期発見を目指す。また日本全薬工業株式会社が動物用医薬品の研究開発などで培ったノウハウを活かし、家畜の活動状況と生体情報を連携させた取得データの分析を実施。具体的には、トラクターの走行音で牛のストレスレベルが上昇するなど活動状況と生体情報が連携した健康状態を把握することで、飼育環境や状況に配慮した家畜の健康・安全管理の実現を目指す。

 実証実験において凸版印刷株式会社はID-Watchy Bioの提供およびシステム開発、日本全薬工業株式会社は実証フィールドの提供・データ分析、ホシデンは生体センサーME DiTAGの提供および家畜向けシステム開発を行う。

 具体的には実証対象の子牛の足や首にMEDiTAGを装着し24時間体制による連続的な生体情報(パルス・転倒検知・ストレスレベル・歩数検知)の取得と家畜の健康状態の常時管理を検証する。さらに飼育場所にネットワークカメラを1台設置し、24時間体制で子牛の活動状況の映像を記録。リアルタイムで生体情報と合わせた活動状況の把握を検証する。それらのデータを連携させて分析を実施。生体情報で異常値を検知した際の原因を検証し、ID-W atchy Bioの家畜用サービス展開に向けてデータの蓄積を実施。

 これらにより、飼育場所に作業者がいなくても、PCやスマートフォンなどから遠隔地で家畜の状態を常時管理できる仕組みの開発し、体調急変や死亡に繋がるストレスを起因とした変化の検知により飼育環境や状況に配慮した家畜の健康・安全管理の実現を目指す。さらに3社は豚などでの検証も進め、畜産農家へ向けて日本全薬工業から2020年春の商品化を目指す。なお、凸版印刷は今後、「ID-Watchy Bio」を建設業界や製造業界、医療・介護業界、農業従事者などへの健康・労務管理システムなど幅広い業界への拡販・用途展開を目指すとのこと。