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国の農林水産技術研究を統括する農林水産技術会議は、2019年5月9日、今年度に新規採択したイノベーション創出強化研究推進事業を発表し、そのうち3事業について説明会を行った。
イノベーション創出強化研究推進事業は農林水産・食品分野におけるイノベーションを創出するために、様々な分野の多様な知識・技術等を結集し、スマート農業技術等の研究開発を推進するための提案公募型の研究支援制度。基礎研究ステージ、応用研究ステージ、研究開発ステージに分かれ、基礎研究ステージと応用研究ステージでは実施課題の70%以上で革新的な技術成果や実用化につながる技術成果の創出を、そして開発研究ステージでは実施課題の80%以上で商品化・事業化が有望な研究成果を創出することを目標としている。今年度は約40億円の予算となっている。
2019年1月15日から1か月間に公募を受け付け、書類審査、ヒヤリングを経て4月26日に採択事業が決定した。今回は基礎研究ステージ96、応用研究ステージ90、開発研究ステージ54の応募があり、それぞれ8、10、12の合計30研究課題が採択された。倍率は全体で8倍。
採択された課題には原則として3,000万円/年の予算がつき期間は3年間。成果があがれば、基礎→応用→開発と続いて採択される可能性もある。
獣医畜産分野では以下の研究課題が採択された。
- ・基礎研究ステージ
- 「豚抗病性改善指標のin vitro評価系の創出」東北大学
- ・応用研究ステージ
- 「スマート技術を活用した乳肉牛のアニマルウェルフェア対応型の飼育技術の開発」信州大学
- ・開発研究ステージ
- 「AIやIotによる、人材育成も可能なスマート獣害対策の技術開発と、多様なモデル地区による地域への適合性実証研究」兵庫県立大学
5月9日の記者発表では以下の3研究課題の説明が、それぞれの研究代表者によって行われた。
- [基礎]1. 豚抗病性改善指標のin vitro評価系の創出
- 東北大学大学院農学研究科 北澤春樹教授
- [基礎]2. AIによる最適操業と漁獲データの自動収集を目的とした基盤技術の創出
- 水産研究・教育機構水産大学校 松本浩文 准教授
- [開発]3. 畑作の省力化に資する生分解性プラスチック分解酵素の製造技術と生分解性農業資材利用技術の高度化
- 農研機構 農業環境変動研究センター物質循環研究領域 循環利用研究ユニット 北本宏子 ユニット長