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■日本獣医中毒研究会が発足 メンバーシップ募集
2026-10-29 15:11 掲載 ・2026-10-29 17:44 更新 | 前の記事
獣医師の福地可奈先生が、2025年12月に「日本獣医中毒研究会(JVPRA)」を設立した。
その目的は以下の通りである。
- 獣医中毒学の発展
- 日本国内における伴侶動物・家畜の中毒発生状況の把握
- 地域特有の課題整理
- 中毒情報のデータベース化
- 症例報告執筆
- データの公表
日本で起きた犬と猫の中毒事例を集め、症例報告や疫学情報として蓄積・発信するセンターとなることを目指す。また、中毒診療に迷う獣医師が、必要な情報を得て、専門家に相談できる仕組みの構築も目指す。
福地先生は、大学卒業後はまず小動物臨床に従事し、その後、製薬企業やペットフード企業などに勤務。会社での仕事とは別に、獣医師として臨床現場に何か貢献できないかとの思いを抱き、自身が臨床医だった頃、報告の少ない珍しい中毒症例の文献検索に手こずった経験を踏まえ、国内外の中毒関連論文を調べ、日本語で紹介する活動を始めた。この活動が原点となり、JVPRAの設立となった。
現在はメディアプラットフォームnoteでの「獣医中毒情報ポータル(JVPIP)」を中心に情報発信とメンバーシップ運営を行っている。症例の経過・転帰を追う仕組みや、獣医師向け相談機能についてはアプリを開発中で、スタートアップ支援にアプローチするなどして資金確保や将来的な獣医中毒情報センターの実現を目指している。
JVPIPは獣医療従事者を主対象としており、動物の中毒情報を根拠(論文・成書・公的情報等)に基づいて分かりやすく整理した記事が掲載されている。犬と猫を中心に、危険物質や症状、受診前後のポイント、初動の考え方などの記事があり、週数回程度、情報が更新され、学び直しや情報のアップデートができる。メンバーシップ制度を導入し、主たる記事の全文を読むためには、その都度の課金やメンバーシップ登録(1か月500円)が必要となる。メンバー限定の記事、掲示板、特典マガジンもある。すでに200以上の記事が掲載されている。
メンバーを対象としたアンケートによる「ヒヤリハット調査」も行っており、日本臨床獣医学フォーラム 第28回年次大会(2026年9月26日~27日)において、「伴侶動物における誤食・誤飲ヒヤリハットの実態とご家族の予防行動に関する週次調査:市民科学プロジェクトによる中間報告」をポスター発表した。
現在の対象は犬と猫であるが、将来的には他の動物種も視野にある。ゆくゆくは、英国の「Veterinary Poisons Information Service (VPIS)」のように、獣医療従事者に対する専門的な情報提供や相談支援を行う、公益性の高い組織への発展を目指す。また獣医療従事者のみでなく、飼い主向けの中毒の予防啓発にも力を入れて行く予定。
なお、福地は、犬のキシリトール摂取時の推定曝露量を計算する獣医療情報支援アプリ「犬のキシリトール中毒計算」を開発し、公開している。