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東京大学は、2026年8月7日、東京大学の財務状況に関する報道に対して「研究者数の削減を検討している事実はなく、そのような方針や計画を決定した事実もありません。また、2026年度予算を提出したという事実もありません」(東京大学NOTICES「本学の財務状況に関する報道について」より転用)とWebサイトに掲載した。
文部科学省高等教育局国立大学法人支援課は、8月12日、東京大学の財務状況に関する報道についての見解を発表した(参照:「東京大学の財務状況に関する報道についての見解」)。
その内容は以下の通り。
1.国立大学法人会計基準における「赤字」の考え方について
国立大学法人会計基準に基づき、損益計算書上での赤字は、当期単年度の経営状況を示すもの。例えば、設備の減価償却費は費用として計上される一方、現金支出としては計上されない。また、寄付金は受入時には収益として計上されない一方、現金収入としては計上されるといった影響により、損益計算書上の赤字が生じることがある。
そのため、損益計算書上の収益や費用は必ずしも現金収支と一致せず、損益計算書上は赤字でも、キャッシュフロー計算書上では黒字となることもあり得、単年度の赤字をもって資金がショートしていることを表すものではない。
実際に、2025(R7)年度決算においては、12の国立大学法人が、損益計算書上において赤字となっているが、こうした大学で、資金ショートする状況が生じているものではない。
損益計算書上の収益と費用の差は、過年度の利益の累計である利益剰余金や、寄付金の活用等により措置することとなる。
2.東京大学の財務状況について
東京大学では2025(R7)年度決算において、財務諸表上の現金及び預金1,262億円を含む資産は、1兆5,217億円。
また、1.のように、東京大学の2025(R7)年度決算において損益計算上の赤字となっているが、キャッシュフロー計算書は25億円の黒字であるとともに、2025(R7)年度末の利益剰余金(1,546億円)、寄附金(861億円)を有しており、直ちに資金ショートを起こし、企業であれば倒産に直結するような赤字ではなく、東京大学の見解の通り、研究者の削減を検討しているような事実はない。
なお、東京大学においては、2026(R8)年度において当初から44億円の赤字を前提として予算を策定しているが、なお経営努力が必要。
近年の国立大学法人をめぐる状況として、2025(R7)年度補正予算及び2026(R8)年度当初予算を合わせて国立大学法人運営費交付金は前年比で609億円増額(そのうち、東京大学には37億円措置)。また、2025(R7)年度補正予算において、大学病院機能強化推進事業(349億円)が措置された(東京大学は同大学病院での不祥事によりこの補助金は不交付)。
東京大学の経常収益は2024(R6)年度までの5年間で500億円以上増加しており、このような収益力の強化を活かし、大学病院における不祥事のような案件を未然に防ぐ強靭なマネジメントの確立や、学術研究の進展や社会の構造的な変化を先導するための教育研究組織の新陳代謝、事務組織の効率化・合理化などに取り組み、成果を上げることが求められている。
3.文部科学省の考え方
各国立大学が経営努力を図りつつ新しい知的価値を生み出すとともに、優れた人材を輩出することをしっかりと支えるため、文部科学省としては、2027(R9)年度予算に関する概算要求に必要な予算をしっかりと盛り込み、日本の成長と社会の発展に資するよう全力で取り組む所存。