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■海を渡るカモメ、薬剤耐性菌も運ぶ可能性 摂南大学

2026-07-09 14:22 掲載 | 前の記事 | 次の記事

ステノトロフォモナス・マルトフィリアのバイオフィルム

摂南大学は、2026年7月8日、理工学部生命科学科の見坂武彦教授らの研究グループが、北海道で繁殖するオオセグロカモメの腸内細菌叢と抗菌薬耐性菌を詳細に解析し、院内感染の原因菌として知られるステノトロフォモナス・マルトフィリアが、糞便中に高い割合で存在することを明らかにしたと発表した(参照:摂南大学「プレスリリース」)。

研究グループのメンバーは、分子生態学研究室の見坂武彦教授、学部生の藤田 蓮さん(現 摂南大学大学院生)、大島りこさん(現 大阪工業大学大学院生)、姫路獨協大学の川井眞好准教授。

分離された菌株の多くは、強いバイオフィルム形成能や高い運動性を示し、さらに約18%の株は、本菌感染症の治療に用いられる2種類の抗菌薬に耐性を示した。

この成果は、渡り鳥であるカモメ類が薬剤耐性菌を腸内に保有し、糞便を介して自然環境中へ拡散させる可能性を示すもの。また、ヒト・動物・環境を一体的に捉えるワンヘルスの観点から、野生鳥類を含めた薬剤耐性菌の継続的な監視の重要性を示している。

本研究成果は、 2026年7月6日に米国微生物学会「Microbiology Spectrum」に掲載された。

・ステノトロフォモナス・マルトフィリア

水や土壌など自然環境に広く存在する細菌である。通常は病原性が低いものの、免疫力が低下した患者では肺炎や血流感染症などを起こすことがあり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療プロセスにおいて二次感染として発症し、重症化の要因となるケースが報告されている。多くの抗菌薬に耐性を示すため、院内感染で問題となる日和見病原菌である。