HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事
厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課は、2026年6月24日、厚生科学審議会食品衛生監視部会の第11回目の会合を開催した。
主議題は、「平成30年食品衛生法改正の施行状況等を踏まえた課題」。「食品衛生法」は2018年に改正されて、8年が経過している。次の改正に向けて、食品衛生監視部会では現在の課題について検討を重ねている。昨年の10月の第4回の会合において課題が提示され、第5回~第10回目の会合において、施行状況の確認、課題の整理、ヒアリング等が行われた。今回の第11回目と7月1日に行われる第12回目の会合で対応案が検討され、とりまとめが行われる。
あげられている課題は、①HACCPによる衛生管理の徹底、②指定成分等含有食品、③食品のリコール。そのほかに、自動車による飲食店営業、サプリメント規制についても検討されている。法改正に向けての検討事項については、消費者庁の食品衛生基準審議会と歩調を合わせて進められている。
「HACCPに沿った衛生管理」については、導入の手引書が117業種で作成されている。2025年度に行われた実態調査では、飲食店、製造・加工業、販売業のうち、「HACCPに沿った衛生管理を実施または一部実施」と回答した施設が約8~9割、「導入に向けて準備中」と回答した施設は約1~2割であった。従業員数が5名以下の施設では特に導入率が低い傾向であった。また自治体への調査では、実施状況を確認し、導入率が8割を超える自治体では、営業開始前までに衛生管理計画が作成されているが、営業者に委ねた場合は導入率は5割程度が現状。また、記録の習慣化ができていない問題も浮かび上がっている。
それらの対応として、行政処分等を含めた自治体による対応の徹底、営業者がきちんと記録し継続していくための支援やフォローアップ、自治体が実態をより詳細に把握し効率よく効果的な監視指導を行えるようにする、HACCPに沿った衛生管理に関わる継続的な知識の習得を支援するなどを行っていく。
例えば、営業者が継続して取り組んでいくモチベーションを維持していくための消費者への訴求として、HACCPマークの導入もあげられている。それについては、消費者がそのマークの意義を把握しておく必要があり、消費者への啓発が肝要であるとの意見があり、さらに学校教育への導入、適切な衛生管理を行っている営業者のデータベースの作成・公表が有用ではないかとの発言があった。また相当数の営業者数がありマーク製作数をどの程度にするかも問題だろうとの意見があった。
また、衛生管理計画、日々の実施記録、毎月の振り返りをスマートフォンやタブレット端末で行える「HACCP衛生管理記録アプリ」を開発したことが紹介された。現在は日本語のみであるが、将来的には英語版も予定されているる。
食品衛生監視部会のメンバーは以下の通り(五十音順、敬称略)。
- 阿部 徹(一般財団法人食品産業センター 事業推進部長)
- 落合由嗣(日本獣医生命科学大学獣医学部 教授)
- 加藤知子(埼玉県食肉衛生検査センター 所長)
- 吉川肇子(慶應義塾大学 名誉教授)
- 近藤麻子(日本生活協同組合連合会 執行役員 組織推進本部長)
- 齋藤嘉朗(国立医薬品食品衛生研究所 所長)
- 鈴木敏之(北里大学海洋生命科学部応用生物化学講座食品化学研究室 専任教授)
- 瀧本秀美(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 理事/国立健康・栄養研究所 所長)
- 伊達千晶(川崎市健康福祉局保健医療政策部生活衛生課長)
- 戸部依子(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 会員)
- 原田大樹(京都大学大学院法学研究科 教授)
- 藤田利枝(久留米市保健所長)
- 藤原慶正(公益社団法人日本医師会 常任理事)
- 道野英司(公益社団法人日本食品衛生協会 常務理事)
- 森 信二(公益社団法人日本輸入食品安全推進協会 理事)
- 脇田隆字(国立健康危機管理研究機構 副理事長)【座長】