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■CGIARへの農林水産省の拠出金による国際研究

2026-06-16 14:41 掲載 | 前の記事 | 次の記事

CGIAR(Science for Humanity's Greatest Challenges、国際農業研究協議グループ)は、国際的な農林水産研究を長期的かつ組織的に支援し、開発途上国の食料増産、農林水産業の持続可能な生産性改善等を図ることを目的に、1971年に設立された。本部はフランス(モンペリエ)にあり、傘下に15の独立した研究センターがあり、世界89か国に研究拠点がある。

日本は1972年に加盟し、15研究センターのうち、農林水産省は、IRRI(国際稲研究所、フィリピン・ロスパニョス)、IWMI(国際水管理研究所、スリランカ・コロンボ)、IITA(国際熱帯農業研究所、ナイジェリア・イバダン)、CIMMYT(国際とうもろこし・小麦改良センター、メキシコ・エルバタン)、CIAT(国際熱帯農業センター、コロンビア・カリ)の5機関を支援し、研究者を派遣している機関もある。また、外務省がCIFOR(国際林業研究センター、インドネシア・ボゴール)、Bioversity International(国際生物多様性センター、イタリア・ローマ)、Africa Rice(アフリカ稲センター、コートジボアール・アビジャン)、IFPRi(国際食料政策研究所、米国・ワシントンDC)の4機関を支援している。家畜を対象とするものとしてILRI(国際畜産研究所、ケニア・ナイロビ)がある。

農林水産省は現在、「ASEAN諸国の食料安全保障と農業のゼロエミッション化の両立」「ASEAN諸国における温室効果ガス削減に向けた農業施策促進事業」「アジア地域の食料安全保障に向けた高温耐性イネ品種及び低コスト・低GHG栽培技術の確立」「窒素肥料の効率的利用による環境負荷軽減に向けた国際研究プログラム」「アフリカの食料安全保障と栄養の改善に向けた国際研究プログラム」の事業を予算化し、CGIARのプロジェクトを推進している。

そのうち「窒素肥料の効率的利用による環境負荷軽減に向けた国際研究プログラム」は、我が国が世界をリードする「生物学的硝化抑制(BNI)の研究分野」において、グローバルサウスの各国に適応したBNI強化作物の開発や、同作物を活用した栽培体系の確立を通じて、同地域の窒素肥料施肥量や環境負荷の軽減に向けての取組を推進するというもの。CIATとCIMMYTにおいて、日本100%の拠出金により研究が進められている。

具体的には、2030年度までに、「窒素肥料を低減しても、生産性を高く維持することが可能なBNI強化作物を新たに7系統以上作出」と、2027年度までに「GHG排出を3割削減する放牧管理システム1件及び炭素クレジット獲得のためのプロトコル1件の開発」を目標としている。2026年11月に開催される国連気候変動枠組条約第31回締約国会議(COP31)で、その取組みを情報発信する。

BNIとは、作物の根から分泌される物質により土壌中の窒素肥料の硝化を抑制する現象。ブラキリア属牧草で発見された。新たなBNI強化コムギの作出やBNI牧草を活用した放牧管理システムの確立などを目指す。