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旭化成ホームズ株式会社と学校法人麻布獣医学園は、2026年3月16日、麻布大学内に設置した寄附講座「ペットと人の共生社会for LONGLIFE」で取り組んでいる研究の中間報告会を開催し、その内容を3月30日に発表した(参照:麻布大学「プレスリリース」)。
報告会では、3つの研究テーマの発表と「都市のペット共生」をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。
寄附講座「ペットと人の共生社会for LONGLIFE」は2025年4月に設置され、ペットと人が安心して暮らせる社会の形成に向け「住環境の整備」「コミュニティの形成」「社会的ネットワークの構築」の3つの視点から研究を推進している。
その視点に基づき、下記の3つに研究テーマが設定されている。
- 住環境の整備:微生物を介したペットと人の共生
- コミュニティの形成:地域社会におけるイヌの介在と社会関係性の創出
- 社会的ネットワークの構築:ペットと人の相互ケア体制の構築
今回の中間報告会では、研究テーマ1と2に関する発表が行われた。
1.住環境の整備「ヒトとイヌが共有する微生物(マイクロバイオーム)が心身の健康に与える影響を探る研究」
飼育の有無で住環境の微生物構造が異なること、イヌとの接触が子どもの心理的well-beingに良い影響をもたらす可能性が確認された。今後は都市部での実証を進め、健康的な住環境設計への応用を目指す。
2.コミュニティの形成「地域社会におけるイヌの介在と社会関係性の創出」
イヌは都市において人と人をつなぐ媒介者として機能することに着目。調査では賛否の対立ではなく、多くが「無関心層」であることが明らかになり、摩擦の背景にはすれ違いや情報不足があると判明しました。イヌを介したあいさつや会話が、地域の安心感や防災意識など社会関係資本の形成にもつながる可能性が示された。
また、「飼育者・非飼育者」混成グループインタビューの結果も発表された。
非飼育者には「特に気にならない」という層が多いことが明らかになった。一方で、飼育者と非飼育者が社会で安心して共存するためには、飼育側の配慮を「見える化」することが重要であることがわかった。具体的には、排泄物の処理袋や水を携帯する、リードを適切な長さで持っていることなどを見えるようにして散歩すると、非飼育者にとっても安心感をもたらす要素になる。
また、触っても良いか、人見知りなのかなど犬の個体差を示すサインがあれば、関心のある非飼育者にとって行動判断がしやすくなるとの声も多く聞かれた。
社会実装に向けたアイデアとして「時間と状況を見せる」「個体差サインを使う」など、互いの状況が見える仕組みが、共生につながると議論された。
立場の違いによる「すれ違いの構造」を明確にすることで、共生に必要な視点が探られた。
寄附講座の設置は2028年3月31日までで、今後は、共同研究データのさらなる蓄積と都市部での実証を進めつつ、犬を介したコミュニティ形成の可能性、住まい(屋内外)のデザイン、防災や福祉との連携など、暮らし全体を捉えた共生のかたちを探求していく。
