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日本獣医内科学アカデミー第22回学術大会で研究アワード(文永堂出版アワード)を受賞した稲永咲耶先生にコメントをいただきました。
受賞研究テーマ:
- 「イヌc-kit遺伝子変異によるKITの細胞内局在およびシグナル伝達への影響の解析」
- 稲永咲耶(山口大学 獣医臨床病理学)
このたびは、第22回日本獣医内科学アカデミー学術大会において研究アワードにご選出いただき、誠に光栄に存じます。また、本大会の運営にご尽力くださった実行委員の皆様、審査員の皆様、文永堂出版の皆様に心より感謝申し上げます。
研究テーマにある「c-kit遺伝子」およびそこから転写・翻訳される「KITタンパク」は、イヌの肥満細胞腫を中心に遺伝子検査や免疫組織化学染色の対象とされ、がん研究者だけでなく臨床獣医師の皆様にも比較的馴染み深い分子であると思います。従来、一部の腫瘍症例の免疫組織化学染色においてKITが細胞膜ではなく細胞質内に染色されること、およびそれが症例の予後に関係することが知られていました。しかし、KITがどのようなメカニズムで細胞内に留まり、それがどのように細胞や生体に影響するかは知られていませんでした。
本研究では、c-kit遺伝子変異がKITの細胞内滞留を促し、本来とは異なる細胞増殖シグナルを亢進させるという新たな分子メカニズムを明らかにしました。今後はより詳細な機序の解明を進めるとともに、分子の異常局在を標的とした治療戦略の可能性を模索できればと考えております。
私はこの春山口大学を卒業しますが、卒後も獣医療の発展に寄与できるよう一層精進していきたいと考えております。今後もご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
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