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■JCVIM2026 「研究アワード」受賞コメント 鈴木那菜先生

2026-03-09 18:15 掲載 | 前の記事 | 次の記事

鈴木那菜先生(左)と指導教員の酒居幸生先生(右)

日本獣医内科学アカデミー第22回学術大会で研究アワード(文永堂出版アワード)を受賞した鈴木那菜先生にコメントをいただきました。

受賞研究テーマ:

  • 「イヌの大細胞性消化器型リンパ腫細胞株に対するカバジタキセルの効果の検討」
  • 鈴木那菜(北里大学)

このたびは、第22回日本獣医内科学アカデミー学術大会の研究アワードにご選出いただき、誠にありがとうございます。この場をお借りして、大会関係者ならびに文永堂出版の皆様に心より感謝申し上げます。

イヌの大細胞性消化器型リンパ腫(large-cell alimentary lymphoma; LCAL)は生物学的挙動が極めて悪く、有効な治療法が十分に確立されていない疾患です。多くの症例が診断後早期に死に至ることから、臨床現場において新たな治療戦略の確立が強く求められています。

私たちの研究グループではこれまでに、イヌLCAL細胞株を用いた薬剤スクリーニングを行い、微小管安定化薬のカバジタキセルを見出しました。そこで本研究では、イヌLCAL細胞株に対するカバジタキセルの効果をin vitroおよびin vivoで検討し、その有効性を明らかにすることを目的としました。その結果、カバジタキセルはイヌLCAL細胞株において微小管脱重合を阻害し、細胞周期停止およびアポトーシスを誘導することで、強い抗腫瘍活性を示すことが明らかとなりました。さらに、担がんモデルマウスにおいても生存期間の延長が認められました。

今後は臨床応用を見据え、実際の症例を対象とした臨床試験を進める予定です。本研究がイヌLCALに対する新たな治療戦略の一助となることを期待しています。最後に、本研究の遂行にあたりご指導いただいた酒居先生をはじめ、ご協力いただいた関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

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