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■多機能尾部センサで疾病罹患子牛の行動・生理的特徴を明らかに

2026-02-09 17:07 掲載 | 前の記事 | 次の記事

多機能尾部センサ(A)と装着器具(B)ならびに装着時の様子(C)

センサデータが示す健康群と疾病群の特徴差と疾病検知の流れ。注1:値は推定平均値(95%信頼区間)を示す。95%信頼区間は、同じ条件で推定を繰り返したときに、そのうち95%の区間が真の平均値を含むことを意味する。*:健康群と比較して有意差あり(p<0.05)

農研機構、麻布大学、北海道立総合研究機構、明治大学、全国酪農業協同組合連合会の共同研究グループは、2026年1月27日、多機能尾部装着型ウェアラブルセンサを用いて実施した大規模なフィールド試験の成果を発表した(農研機構「プレスリリース」)。独自に開発した多機能尾部装着型ウェアラブルセンサを用い、約300頭の子牛を対象とした大規模なフィールド試験を実施。得られたセンサデータから、疾病に罹患した子牛は健康な子牛に比べて活動強度が低く、横臥(伏せている)時間が長く、体表温が高い傾向が見られた。これら複数の指標を総合的に解析し、機械学習を活用して疾病検知モデルを構築した結果、子牛の疾病を一定の精度で判別できることを実証した。

農研機構では、省力的かつ高精度な家畜の健康管理を実現するアプローチとして、牛の尾の根元に装着するセンサの開発を主導し、「多機能尾部装着型ウェアラブルセンサ」を開発した(参考:「多機能センサを用いた家畜の早期疾病検知技術」)。

今回の試験の成果は、省力的かつ高精度な子牛の健康管理の実現に資するものであり、将来的には、同技術のさらなる改良に加え、研究で得られた知見を自動哺乳機やカメラ画像解析などのウェアラブル以外のセンシング技術と統合することにより、疾病タイプの識別や検知精度の一層の向上が期待される。

研究成果は「Smart Agricultural Technology」に掲載された。