HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事
農林水産省と公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会は、2025年11月4日、令和7年度(第26回)「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」の受賞者が決定したと発表した(参照:農林水産技術会議プレスリリース「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」)。また同省は、同日、令和7年度(第21回)「若手農林水産研究者表彰」の受賞者も発表した(参照:農林水産技術会議プレスリリース「若手農林水産研究者表彰」)。
「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」には15件の応募があり、6件が受賞した。「若手農林水産研究者表彰」には20件の応募があり、6名が受賞者した。
両賞の表彰式は、東京ビックサイトで行われる「アグリビジネス創出フェア2025」の会場内で、11月27日(木)15:30~17:00に催される。両表彰の受賞者は以下の通り(敬称略)。
§民間部門農林水産研究開発功績者表彰
【農林水産大臣賞】
- 汎用型GNSS自動操舵システム(超低速作業対応)の開発と普及
- 多田和博、鈴木敏之、東海林篤史、岩原知宏、藤岡伸悟、加藤敦史、大橋昂太、牧 敬太郎、利尾康嗣、佐々木卓也、小沢孝一郎、内田雄也、岡 修平、笠井建吾(株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン)
【農林水産技術会議会長賞】
- 乳蛋白質ラクトフェリンを活用した内臓脂肪低減機能性食品の開発
- 村越倫明(元ライオン株式会社)、小野知二、森下 聡、関 桂子、石原央子(ライオン株式会社)
- 二次加工品の食味が長持ちする「やわら小麦」の開発と実用化
- 新畑智也、猪熊貴之、川上裕之(株式会社ニップン)
【公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会会長賞】
- うね間と樹冠下・雨落ち部両方に対応した茶園除草機
- 雪丸誠一、今村健太郎、寺田 均(株式会社寺田製作所)
- 藍色光の防汚・除菌作用の発見と超高輝度装置の開発及び事業化
- 山下桂司、齋藤伸介、太田真紀(株式会社セシルリサーチ)、
- 水田 敬(クルーシャル・クーリング・パフォーマンス株式会社)、柳川敏治(中国電力株式会社)
§若手農林水産研究者表彰
【農林水産技術会議会長賞】
- レタスに発生する土壌病害診断法の開発と防除に関する研究
- 石山佳幸(長野県野菜花き試験場佐久支場)
- 物質生産に基づくトマトの栽培支援技術の拡充と社会実装
- 伊藤瑞穂(農研機構野菜花き研究部門)
- ウナギの雌化と食味に優れた大型雌ウナギ生産技術の確立
- 稲葉博之(愛知県水産試験場漁業生産研究所)
- 新品種開発と流通技術開発によるイチゴの流通ロス削減
- 遠藤みのり(岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域)
- 牛伝染性リンパ腫に対する治療法および発症診断法の開発
- 岡川朋弘(北海道大学大学院獣医学研究院、株式会社ファスマック)
- シルク材料の生分解性の解明・向上と高付加価値分野への応用
- 神戸裕介(農研機構生物機能利用研究部門)
岡川朋弘先生の受賞業績の概要は、次の通り。
農場における牛伝染性リンパ腫(EBL)の清浄化の実現を目指し、牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)感染牛に対する治療法として免疫チェックポイント阻害抗体を開発して、免疫活性化効果と抗ウイルス効果を実証した。さらに、BLV感染細胞のクローナリティ解析法を開発し、高精度なEBL診断・発症予測を実現した。これらの成果により診断と治療の両面から包括的な疾病対策が可能となり、EBLの清浄化により経済損失の軽減に寄与する。