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■動物愛護管理功労者表彰 宮川 保先生、愛媛県獣医師会などが表彰される

2025-09-30 17:37 掲載 | 前の記事 | 次の記事

前列右より沖 紀代さん、宮川 保先生、小林史明 環境副大臣、戒能 豪先生、後列右は堀上 勝 自然環境局⻑、左は石川拓哉 動物愛護管理室⻑

令和7年度動物愛護管理功労者表彰が、2025年9月26日、同省内の会議室で行われ、沖 紀代さん、宮川 保先生、山田敏子さん、公益社団法人愛媛県獣医師会が表彰された。プレゼンターは、小林史明 環境副大臣が務めた。公益社団法人愛媛県獣医師会は、会長の戒能 豪先生が表彰を受け取り、山田敏子さんは欠席された。

環境省は、動物の愛護とその適正な管理の推進に関して顕著な功績のあった方や団体を環境大臣により表彰している。

表彰は毎年、動物愛護週間(9月20日~9月26日)に行われている。

今年度表彰を受けた方々の功績は以下の通り。

・沖 紀代さん(一般社団法人静岡県動物保護協会監事)

1995年に愛玩動物飼養管理士を取得以来、動物の正しい飼い方や動物愛護の在り方の啓発等の取組みに尽力し、犬の適正管理および動物愛護の普及啓発に大きく貢献した。

1998年度以降、静岡県愛玩動物飼養管理士会、公益社団法人日本愛玩動物協会静岡県支部、一般社団法人静岡県動物保護協会の重職を歴任し、各会の活動の充実、発展に大きく寄与した。

2008年度から一般社団法人静岡県動物保護協会動物保護管理指導員および静岡県動物愛護推進員として、行政や地域における動物愛護活動のパイプ役として大いに活躍した。

「静岡市ペット防災アドバイザー」資格創設(2020年)に大きく寄与するとともに、2020年度から動物専門学校でペット防災の問題解決に資する若い人材の育成に尽力した。

・宮川 保先生(公益社団法人新潟県獣医師会顧問)

1975年に動物病院(宮川動物病院)を開業して以来、動物ふれあい活動、動物フェスティバルの開催、猫の殺処分ゼロを目指す取組等、動物保護活動に積極的に取り組むとともに、小学校等での動物ふれあい教室や県民向け公開講座を通じ、動物愛護思想の普及、推進に寄与した。

1998年12月に新潟市白山公園の飼育舎から逃げ出した複数のニホンザルについて、自らが中心となり市職員と協力し、昼夜を問わず捕獲・保護に尽力。これにより新潟市長から当時の新潟県獣医師会新潟支部長として感謝状を授与された。

2004年10月の新潟県中越大震災および2007年7月の新潟県中越沖地震の際、新潟県とともに被災地に出向き、避難所における被災飼育動物の診療や飼主向けの相談窓口の実施等、動物救済活動に尽力した。

2011年3月の東日本大震災に際して、発生後に設置された新潟県獣医師会動物救護対策本部において、避難所対策班長として被災動物飼育者への総合支援、支援活動の計画・調整等に尽力した。

2015年~2018年、新潟県の粟島を営巣地とする希少鳥類オオミズナギドリのヒナのノネコによる捕食被害が問題となったことから、粟島浦村長と協定を結び自身の病院の吸入麻酔器具、手術台等を持参しノネコの不妊去勢手術および手術済み猫の島外への譲渡活動を行った結果、被害は認められなくなった。

2020年10月に新潟県が設置する「動物愛護管理推進計画改訂委員会」の委員長として、県による同計画の改訂に当たり、広く県民、事業者、有識者等からの意見や提言を計画に反映させ、必要な事項を協議し提言を行うなど、新潟県の動物愛護管理に係る施策の推進に尽力した。

・山田敏子さん(長野県在住長野県動物愛護会松塩筑支部理事)

1994年より長野県動物愛護会松塩筑支部に参加し、積極的に地域社会の環境改善および動物愛護活動に従事。地域住民と連携し、動物愛護会の活動を通じて地域コミュニティの活性化と環境保全に貢献した。

1998年に「ねこの会」を設立し、野良猫問題の解決に向けた地域猫活動を主導し、保護、管理、不妊去勢手術の促進、飼い主不在の猫に対する適切な対応を通じて動物福祉の向上と地域環境の改善に顕著な成果を挙げた。

2000年に開設された長野県動物愛護センターにおいて、地域猫活動支援の取組みを行うよう働きかけ、2002年度から同センターにおける「地域猫活動支援事業」において長野県動物愛護会は地域猫の避妊去勢手術支援を受けた。この取組みは、当時は官民連携で取り組む全国的にも珍しい取組みであったことから、2004年度全国動物管理関係事業所協議会全国会議研究発表会で最優秀賞環境省自然環境局長賞を受賞し、また2005年にヒトと動物の関係学会や日本医公衆衛生学会年次大会において、当該事例が発表(共同研究者)された。

松塩筑(松本市、塩尻市、東筑摩郡)地域における野良猫による生活環境の問題を重視し、地域住民の理解と協力を得て、持続可能な地域猫管理体制の構築に寄与し、周辺自治体の先駆けとなった地域猫活動のモデル構築に貢献した。

・公益社団法人愛媛県獣医師会

愛媛県獣医師会は1945年5月に設立され、1966年6月に社団法人愛媛県獣医師会に、2013年4月に公益社団法人愛媛県獣医師会となった。

1992年から愛媛県と共催で動物愛護フェスティバルを開催しているほか、動物園との共催による動物ふれあい教室の開催および小学校における適正飼養啓発事業の実施など、愛媛県の動物愛護の普及啓発に多大に貢献した。

野良猫対策の一環である地域猫活動の支援を目的として、県・市町からの一部助成により、会員動物病院における無料の雌猫不妊手術を実施するなど、愛媛県の殺処分頭数の多くを占める飼い主のいない猫問題解決に寄与した。

災害時における動物救護活動について、愛媛県と2012年3月に協定を締結し、愛媛県総合防災訓練に毎年参加するなど発災時に備えているほか、県内市町とも災害協定を締結するなど、災害対策に積極的に取組む。また、2018年7月豪雨では物資提供や被災ペットの無料診療等の活動が認められ、環境大臣表彰を授与された。

愛媛県から、負傷動物として収容された犬・猫の治療を受託しており、愛媛県動物愛護センターが早期に対応困難な動物への迅速な対応により、命の救済に貢献した。同センターから譲渡される犬・猫の不妊去勢手術を受託しており、譲渡後の不適切な繁殖の防止に寄与している。