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公益財団法人国際花と緑の博覧会記念協会は、2025年7月15日、2025年コスモス国際賞受賞者をニューサウスウェールズ大学生態系科学センター教授のデービッド・アンドリュー・キース博士に決定したと発表した(参照:国際花と緑の博覧会記念協会「お知らせNEWS」)。
同国際賞の受賞対象は「花と緑に象徴される地球上のすべての生命体の相互関係およびこれらの生命体と地球との相互依存、相互作用に関し、地球的視点からその変化と多様性の中にある関係性、統合性の本質を解明しようとする研究活動や業績であって、『自然と人間との共生』という理念の形成発展にとくに寄与すると認められるもの」と規定されている。
デービッド・アンドリュー・キース博士は、オーストラリアを対象にした植生学・生態学的研究、生態系のレッドリストの評価に関する地球的視野からの研究、環境保全のために世界の生態系を類型化する研究に大きく貢献した。
地元オーストラリアの植物相や植生の研究、火(自然火災)が生態系にもたらす影響(ファイヤーエコロジー)に関する研究、気候変動のもとでの生物種の絶滅危険性の予測に関する研究などに顕著な業績をあげている。
これまで基準がなかった生態系自身の消失危険性の評価に関して、新しい手法である「IUCN(国際自然保護連合)生態系レッドリスト(red list of ecosystems)」を確立する国際共同研究を主導し、この仕組みの全世界的な普及を精力的に行った。
保全対象となる生態系の類型化に関する研究も行い、生態系機能に注目して、自然・人工を問わず全世界の陸上(地上、地下)・水圏(陸水、海洋)生態系の全てを分類する国際共同研究を主導し、この研究によってIUCNグローバル生態系類型化体系第2版(IUCN Global Ecosystem Typology 2.0)が完成し、これによって生態系の消失危険性の評価を行えるようになった。
授賞式は10月17日に大阪で、受賞記念講演会は10月21日に東京大学で行われる。受賞のデービッド・アンドリュー・キース博士には、賞状、賞牌、副賞(4,000万円)が贈られる。
- 授賞式
- 2025年10月17日(金)15:00~17:00
- 住友生命いずみホール(大阪市中央区)
- 受賞記念講演会
- 2025年10月21日(火)16:00~18:00
- 東京大学伊藤国際学術センター 伊藤謝恩ホール(東京都文京区)