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■麻布大学が産学連携で動物病院向けVOC低減型空気清浄機を共同開発

2025-07-23 14:39 掲載 | 前の記事 | 次の記事

実証の様子(左:動物病院診察室、右:動物病院廊下)

麻布大学は、2025年7月9日、空気中に含まれる揮発性有機化合物(建材や家具、日用品などから揮発するガス 以下、VOC)を低減する動物病院向けの空気清浄機を、清水建設株式会社、富士工業株式会社と共同開発したと発表した(参照:麻布大学「プレスリリース」)。

獣医療の知見を有する麻布大学、室内環境評価の知見を有する清水建設株式会社、空気環境改善の知見を有する富士工業株式会社の3者が協力し、換気性が低い物件で開業したケースなど、空気環境の悪化が懸念される動物病院向けの空気清浄機の開発に着手。

換気性に優れた大学附属動物病院の室内環境を参考に、空気清浄度の目標値を総VOC濃度100µg/m3以下に設定し、空気環境の改善によるアレルギー疾患の低減効果や職員の労働衛生環境改善効果についても検証してきた。

その結果、以下の特長を有するVOC低減型空気清浄機を開発した。

  • VOC約50%低減
  • 換気性が限定的な病院でも24時間以内に総VOCを半減。
  • 換気性に優れた大学附属動物病院と同程度の空気清浄度
  • 総VOC100µg/m3以下を達成予定。
  • 簡単な設置方法
  • 家庭用電源で稼働し、搬入後すぐに使用可能。

3者は今後、VOC低減型空気清浄機の2025年度内の製品化と動物病院への導入を目指し、部屋の広さや空気清浄機の風量に依存する総VOC濃度の低減効果の調査など、製品化に向けた検討を進める。さらに、開発で得られた知見を活かし、病院・介護施設など人を対象にした医療空間への展開も検討していく。