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ペットの健康診断を推進する獣医師団体の一般社団法人Team HOPEは、飼い主を対象としたペットの健康管理に関するアンケート調査を実施し、報告している。
調査報告は2016年より毎年続けられており、「調査結果報告書」がWebサイトに掲載されている。
最新の情報は「2024報告」で、2024年にWeb調査され、2025年1月に公表された。調査対象は以下の通り。
- 犬の飼い主206名
- 最年長の犬の年齢 7歳未満103名、7歳以上103名
- 猫の飼い主206名
- 最年長の猫の年齢 7歳未満103名、7歳以上103名
Team HOPEが発表した「調査結果のトピックス」の概要は以下の通り。
§健康診断の受診率
- 犬:「定期的に受診」48%
- 「受診経験はある」33%
- 「受診したことはない」19%
- 猫:「定期的に受診」40%
- 「受診経験はある」37%
- 「受診したことはない」23%
前年に比べて犬で微減、猫で横ばい。2022年までは順調に増加していたが、この2年間は横ばいから微減となっている。
§定期的な健康診断受診のきっかけ
- 「健康診断はペットにとって大切だと思っていたから」55%
- 「動物病院ですすめられて」31%
- 「ペットが歳をとったので」16%
- 「ペットを病気で亡くした経験があったので」16%
- 「ペットに病気の兆候がみられた」7%
- 「ペットショップですすめられて」5%
- 「ペットの病気の発見が遅れたことがあった」5%
- 「友人・知人にすすめられて」5%
- 「健診をすすめる記事や情報を見たり読んだりして」3%
§健康診断の内容
- 「問診」89%
- 「視診」75%
- 「触診」82%
- 「聴診」61%
- 「血液検査」71%
- 「尿検査」29%
- 「レントゲン」27%
- 「便検査」27%
- 「超音波検査」19%
尿検査・レントゲン・便検査は約3割と低いものの、前年に比べると増加している。超音波検査は年々増加し、レントゲンに近づきつつある。尿検査やレントゲンを受けない理由は、「獣医師からの勧めがなかったから」が55%と圧倒的。
Team HOPEは「ぜひご家族にフルコースでの検査の重要性をお伝えください」と呼びかけている。
§ペットの健康状態
- 全体:「健康だと思っている」76%
- 「どちらともいえない」15%
- 「健康とは思っていない」9%
- 7歳未満:「健康だと思っている」86%
- 「どちらともいえない」12%
- 「健康とは思っていない」2%
- 7歳以上:「健康だと思っている」67%
- 「どちらともいえない」19%
- 「健康とは思っていない」14%
§健康診断での病気の発見率
- 「全体」23%
- 「7歳未満」12%
- 「7歳以上」34%
§健康診断に対する考え方
- 「お金がかかってもペットの健康のために定期的に健康診断を受けたい」51%
- 「手頃な価格なら健康診断を受けたい」31%
2020年までは「手頃な価格なら健康診断を受けたい」という考え方が優勢だったが、2021年以降は逆転し、「お金がかかってもペットの健康のために定期的に健康診断を受けたい」は2021年の46%から、53%→49%→51%と推移し、「手頃な価格なら健康診断を受けたい」を上回っている。
Team HOPEは「健康管理に対する意識は高まっていますが、まだ行動には結びついていないので、今まで以上に健康診断の啓発を進めていく必要があります」とコメントしている。
受診のきっかけで、「動物病院ですすめられて」が31%とかなりの割合となっている。動物病院での獣医師、愛玩動物看護師からの声かけも有効。