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ペット保険「PS保険」を提供するペットメディカルサポート株式会社は、2025年6月18日、全国の20~69歳の犬や猫の飼い主を対象に実施した「愛犬や愛猫のマイクロチップ装着」に関するアンケート調査の結果を発表した。
- 期間:2025年5月7日(1日間)
- 対象:全国の20~69歳の犬や猫の飼い主
- 方法:インターネットリサーチ
- 有効回答数:400(調査対象1,859名の21.5%にあたる400名から回答を得た。このうち、犬の飼い主、猫の飼い主共に200名ずつ)
Q 犬や猫の販売業者(ブリーダーやペットショップなど)は、販売する犬や猫にマイクロチップの装着義務があります(違反すると制裁や罰則が課せられる)。
個人(飼い主)は、飼育する犬や猫のマイクロチップの装着について、努力義務があります(努力を求めるもので、実施しなくても罰則はない)。
その理解度について。
犬の飼い主の場合は「いずれも知らない」(44.5%)が最多。次いで、「販売業者の義務」(37.5%)、「個人の努力義務」(34.0%)という結果。犬の飼い主は、「販売業者の義務」に関する認識がやや高い傾向にあるが、全体的に見ると法律の理解度はあまり高くないと言える。
猫の飼い主の場合は「個人の努力義務」(44.0%)が最多。次いで、「いずれも知らない」(40.5%)、「販売業者の義務」(32.5%)という結果。犬の飼い主と比較すると、「個人の努力義務」についての理解度が高いことが特徴的。一方で、「いずれも知らない」と回答した飼い主も4割を超えており、法律の理解度には、まだ課題があることがうかがえる。
Q 犬や猫へのマイクロチップ装着を法的に義務化する是非
犬の飼い主の場合は「賛成」(50.0%)が半数を占め、最多。次いで、「わからない」(36.5%)、「反対」(13.5%)という結果。特に犬は外出する機会が多く、迷子になるリスクが高いため、マイクロチップの有用性を理解している飼い主が多いと考えられる。一方で、「わからない」と回答した層も3分の1以上存在し、マイクロチップ装着の意義や手続きについての情報不足がうかがえる。
猫の飼い主の場合も同様に「賛成」(48.0%)が最多。次いで、「わからない」(32.0%)、「反対」(20.0%)という結果。猫は室内飼いが一般的になりつつあるものの、脱走のリスクは依然としてあり、身元確認の手段としてマイクロチップの重要性を認識している飼い主が多いと考えられる。犬の飼い主と比較すると「反対」の割合がやや高く、「完全室内飼いで脱走の可能性は低い」や「小さな体に負担をかけたくない」といった意識が影響しているのかもしれない。
Q 愛犬や愛猫のマイクロチップ装着状況
犬の飼い主の場合は「いいえ」(76.5%)が大多数を占め、「はい」(23.5%)という結果。約4分の3の飼い主が、愛犬にマイクロチップを装着していない。
猫の飼い主の場合も同様に「いいえ」(79.0%)が大多数を占め、「はい」(21.0%)という結果。猫の場合は、さらに多く8割に迫る割合。
Q 愛犬や愛猫にマイクロチップを装着する予定はありますか?
犬の飼い主の場合はマイクロチップ装着予定は、「なし」(62.7%)が最多。次いで、「迷っている」(24.2%)、「あり」(13.1%)という結果。約6割の飼い主がマイクロチップの装着予定「なし」と回答していることから、それを妨げる何らかの障壁があるものと考えられる。一方で、約4分の1の飼い主が、マイクロチップ装着を「迷っている」と回答しており、適切な情報提供によってマイクロチップの普及率が高まる可能性がある。装着予定がある飼い主は、1割強にとどまった。
猫の飼い主の場合も同様に装着予定は「なし」(69.6%)が最多。次いで、「迷っている」(20.3%)、「あり」(10.1%)という結果。犬の飼い主と比較して、マイクロチップの装着予定「なし」の割合が高く、その関心や認識が低い傾向が見られる。これは猫の室内飼いが進み、迷子になるリスクが低いと認識されていることが一因かもしれない。マイクロチップ装着の予定「あり」と回答した飼い主は、1割と少数派であった。
Q (愛犬や愛猫にマイクロチップを装着している飼い主に)マイクロチップを装着する理由とは?
犬の飼い主の場合は「販売業者が装着」(55.3%)が最多。次いで「迷子対策」(42.6%)、「個人の努力義務」(27.7%)、「盗難対策」(23.4%)、「災害時を意識」(17.0%)、「獣医師の勧め」(14.9%)、「特になし」(4.3%)、「そのほか」(0.0%)、「知人・友人の勧め」(0.0%)という結果。半数以上が「販売業者が装着」と回答しており、飼い主自身の積極的な選択というよりも、愛犬を迎え入れた時点ですでに装着されていたケースが多いことがわかる。一方で、「迷子対策」や「個人の努力義務」、「盗難対策」なども一定の回答があり、愛犬の安全確保に対する飼い主の意識が表れている。
猫の飼い主の場合は「迷子対策」(61.9%)が最多。次いで、「販売業者が装着」(38.1%)、「災害時を意識」(23.8%)、「愛猫の盗難対策」(19.0%)、「個人の努力義務」(16.7%)、「獣医師の勧め」(4.8%)、「知人・友人の勧め」(4.8%)、「特になし」(2.4%)、「そのほか」(2.4%)という結果。犬の飼い主と比較して特徴的なのは、「迷子対策」が最多である点。これは、猫の脱走リスクへの懸念が強く表れており、室内飼いが主流であっても、万が一の事態に備える意識が高いことがわかる。
Q 愛犬や愛猫のマイクロチップ装着に対する不安や不満とは?
犬の飼い主の場合は「健康への被害」(43.0%)が最多で、飼い主の多くが愛犬の体への影響を心配している。次いで、「耐久性や信頼性」(27.0%)、「愛犬がかわいそう」(26.5%)と続き、装置そのものの性能や愛犬への負担を懸念する声が目立つ。「費用がかかる」(24.5%)という経済的な不安も4分の1近くあり、「特になし」(22.5%)と答えた飼い主も約5分の1いる。「情報登録や手続きが面倒」(15.0%)、「メリットを感じない」(9.5%)は、比較的少数派であった。
猫の飼い主の場合も同様に「健康への被害」(40.0%)が最多で、次いで、「愛猫がかわいそう」(30.5%)、「費用がかかる」(27.5%)と続く。「耐久性や信頼性」(25.5%)も4分の1以上が心配しており、「特になし」(20.0%)との回答も一定数ある。「情報登録や手続きが面倒」(19.5%)、「メリットを感じない」(15.0%)、「そのほか」(1.5%)という結果。全体的な順位は、犬の飼い主と似ているが、「かわいそう」という感情面や、「費用がかかる」「メリットを感じない」という実用面での懸念がやや高い傾向にある。
ペットメディカルサポート株式会社は調査結果について、以下のようにコメントしている。
今回の調査では、マイクロチップを装着しているペットは全体の2割程度で、装着していない飼い主の約6割は今後も装着予定が「ない」と回答しています。装着の障壁となる不安要素として、「健康への被害」が最も多く挙げられていますが、世界小動物獣医師会では、マイクロチップ装着の利益は健康リスクを大きく上回ると結論付けています。
法律と獣医師による推奨があるものの、普及には課題が残されています。大切な家族であるペットを守るためには、マイクロチップの装着とともに、万が一の医療費に備えたペット保険の加入も検討されてはいかがでしょうか。愛するペットの安全と健康を守る一助となるでしょう。
ペットメディカルサポートのペット保険「PS保険」は、契約者さまへのサービスとして、経験豊富な獣医師に24時間365日電話相談できる「獣医師ダイヤル」を無料で提供しています。かかりつけの動物病院の診察時間外の時なども、すぐに相談できて安心です。