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株式会社ユーグレナは、2025年6月2日、宮崎大学およびあすかアニマルヘルス株式会社 との共同研究を通じて、ユーグレナ配合飼料の給与によりニワトリの成長が促進される可能性を確認したと発表した(参照:株式会社ユーグレナ「プレスリリース」)。抗菌剤の飼料添加の低減につながる研究成果である。
これまでの研究において、ニワトリにユーグレナ貯蔵多糖であるパラミロン(ユーグレナに含まれる希少成分。β-グルカンと呼ばれる細胞内貯蔵物質として生成される多糖類であり、食物繊維の一種)を配合した飼料を給与することによって獲得免疫能が向上する可能性が確認されている(参照:株式会社ユーグレナ「プレスリリース」)。
これをふまえ、パラミロンを含むユーグレナそのものを飼料として与えることでニワトリの健やかな成長を促すことができるという仮説に基づき、宮崎大学が行った今回の研究では、食肉用ニワトリ(ブロイラー雛)の成長への影響を検証した。
生後7日齢のニワトリ(Ross308)に、ユーグレナ粉末無配合飼料(以下「Control」)、ユーグレナ粉末を飼料1kgあたり0.05g、0.1g、0.3g(以下、それぞれ「0.05g Euglena」「0.1g Euglena」「0.3g Euglena」)を配合した飼料をそれぞれ21日間給与し、その間の体重および飼料要求率(対象動物の体重と給与飼料量の比率から、飼料の体重増加への効率を示す)を比較した(Tukey検定、片側α=0.05)。
試験開始から毎週、ニワトリの体重を測定した。その結果、各試験区における平均体重は、試験開始2週間目および3週間目のControlに対して0.3g Euglenaで有意に高い値となり、優れた成長を示した。
試験開始時から終了時までの期間、毎日試験区ごとに飼料摂取量を測定し、飼料要求率を算定した。その結果、飼料要求率は、Controlに対してユーグレナを給餌した区で低い値となった。
以上の結果から、ニワトリにユーグレナを配合した飼料を給与することによって、その増体が促進され、飼料要求率が改善する可能性が示唆された。
ニワトリの成長の促進は、パラミロンのみを給餌した際には確認できなかった結果であり、同研究のみではその要因について解き明かすことはできないが、ユーグレナに含まれる栄養素やそのバランス、相互作用によるものなど複合的な要因である可能性がある。