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■愛玩動物看護師の現況調査がまとめられる

2025-05-20 17:48 掲載 | 前の記事 | 次の記事

月収・年収に関する調査結果

環境省と農林水産省が開催した「令和6年度第3回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会 愛玩動物看護師小委員会(合同会合)」(2025年3月28日、農林水産省会議室)では、両省が行った「令和6年度愛玩動物動物看護師現況調査取りまとめ」が審議された。

調査は、約2万2千人の登録者を対象とし、Webアンケート(2025年1月6日~2月14日:参考JVM NEWS「愛玩動物看護師の現況調査への協力を 2月14日まで 農林水産省」)によって行われ、5,209名から回答があった(回答率23.8%)。

調査内容は、基本属性(年代、性別、現住所都道府県、出身地都道府県、受験資格区分、合格年月日、実務経験年数、認定動物看護師資格の有無)、勤務先機関(獣医療分野/愛護・適正飼養分野/教育等)、愛玩動物看護師の業務への従事状況、愛玩動物看護師の業務に従事している愛玩動物看護師の状況(勤務時間数、給与形態/収入等)の項目で、そのほか意見・要望等の自由記載も設けられた。

回答者は20歳代が1,935回答と最も多く、30歳代1,738名、40歳代1,071名、50歳代412名、60歳代53名と続く。

勤続年数は1年未満、以降2年区切でまとめられ、10年までの勤務の合計が3,158回答(60.6%)であった。勤続年数21年以上も577回答(11.1%)あった。

現在の勤務先は動物診療施設が4,011回答(77%)と最多。次いで「現在就労していない」460、愛玩動物看護師養成教育機関125、大学・研究所等55と続く。

愛玩動物看護師の業務に従事しているが、国家資格は要さない立場で雇用されているとの回答が185名からあった。

勤務先が動物診療施設である4,011名に対しての調査で、勤務先の動物診療施設の獣医師数は1名が最も多く1,292回答(32.3%)で、2名853回答、3名438回答と続く。10名以上も498回答(12.4%)であった。

現在就労していない方は460名とかなりの数。複数回答で得られたその理由の一番は「希望する働き方(就業場所、時間に関する条件)が満たされなかったから」が204回答と最多で、「希望する働き方(給与条件)が満たされなかった」が155回答と続く。460名のうち、約80%は愛玩動物看護師の業務に従事したいと回答している。

勤務日数は5日が3,325回答(70%)と最多で、6日以上が640回答(13.5%)と続く。1日の勤務時間は8時間以上が3,184回答(68.8%)し、次いで6~7時間909回答(19.6%)であった。

年収(税込み、賞与込み)は、250万円以上~300万円未満が1,028回答(21.6%)と最も多く、200万円以上~250万円未満992回答(20.9%)、350万円以上~400万円未満604回答(12.7%)と続く。

審議では、回答率を含めまとめられた内容に大きな問題はないが、回答率を上げていく工夫は必要であろうし、現在の質問項目をもっと深掘りできるようにしていくとよいとの発言があった。また、どのような回答を行っても不利益が生じないようにすることは必須であるとも確認された。2年後に同様の調査が行われる。